安全

2024年クルーザー安全講習会終了

2024年2月05日

万一の事故や緊急時の対応など、クルーザーを安全に運航するための知識を習得することを目的に2014年から毎年「クルーザー安全講習会」を開催してきました。今年は2月4日(日)9:3013:00~12:10に、福岡市ヨットハーバー管理事務所が主催し、博多湾をベースに活動する博多ヨットクラブ、福岡ヨットクラブ協力のもとに開催し、クルーザーのオーナー、クルーの皆さん50名が参加しました。博多ヨットクラブ、福岡ヨットクラブともに今年のシリーズレースが3月から始まるためシーズン開幕前のタイミングで開催したものです。

最初に主催のヨットハーバー管理事務所の木村所長の挨拶の後、福岡海上保安部交通課から、福岡海上保安部管内の船舶海難事故発生状況と事故防止、航法のおさらい、船長の遵守事項、事故に備える、航路内における早期避航についての話がありました。

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次に、JSAF日本セーリング連盟外洋安全委員会の平出委員長から「落水時の低体温症」についての話がありました。昨年11月に鳥取県境港マリーナ沖のディンギーレースで、シングルハンドの60代男性が落水し、レスキュー艇が救助してマリーナに戻って病院搬送後に低体温症で死亡する事故があり、当時の状況を詳しく説明されました(風16ノット前後、気温16℃、水温20℃)。今年のGWに日韓親善アリランヨットレース(韓国・釜山沖→博多湾)があるため、参加予定のオーナー、クルーの皆さんは真剣に受講していました。何よりも「落水」しないことが一番ですね。

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次に、日本海洋レジャー振興協会九州事業部からは運転不自由船の曳航・伴走サービスについての話がありました。

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最後に、博多税関支署から、船舶による密輸の実態や密輸防止、日本入国時の税関検査などの話がありました。

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閉講にあたり、アリランレース主催者の福岡ヨットクラブ沼田会長から挨拶があり、

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「2023年 クルーザー安全講習会」終了

2023年2月20日

万一の事故や緊急時の対応など、クルーザーを安全に運航するための知識を習得することを目的に2014年から毎年「クルーザー安全講習会」を開催してきました。今年は2月19日(日)13:00~15:00に、福岡市ヨットハーバー管理事務所が主催し、博多湾をベースに活動する博多ヨットクラブ、福岡ヨットクラブ協力のもとに開催し、クルーザーのオーナー、クルーの皆さん33名が参加しました。博多ヨットクラブ、福岡ヨットクラブともに今年のシリーズレースが3月から始まるためシーズン開幕前のタイミングで開催したものです。

午後1時に開講し、主催のヨットハーバー管理事務所の木村所長の挨拶の後、福岡海上保安部交通課から、福岡海上保安部管内の海難事故発生状況と事故防止、昨年4月に発生した北海道知床半島沖の観光船沈没事故についての話がありました。次に、日本海洋レジャー振興協会九州事業部からは運転不自由船の曳航・伴走サービスについての話がありました。

最後に、主にスキューバダイバーの視点から海の水中環境や生物多様性、自然の不思議・素晴らしさ・楽しさをひとりでも多くのひとに伝え守っていく活動を行っている一般社団法人ふくおかFUNから、活動内容の紹介と4月8日(土)に予定している西区小戸公園でのビーチクリーンアップと海の中で森のような役割を果たす注目の海草『アマモ』の植え付けのための苗づくりを行うイベントを開催するとのお知らせがありました。私たちも海で遊ばせてもらっているので、クリーンな海を守っていくために協力していきましょう。

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クルーザー安全講習会の開催

2023年1月22日

クルーザーヨットで海を楽しむ皆さん、安全への対策は万全ですか。海では安全には最新の注意を払っても天候の急変などにより避けがたい突発的な状況に遭遇することがあります。万一の事故や緊急時の対応など、クルーザーを「安全」に運航するための知識を習得することを目的に、ヨットシーズン開幕前にFYC福岡ヨットクラブ、HYC博多ヨットクラブ協力のもと、福岡市ヨットハーバー管理事務所主催で「クルーザー安全講習会」を開催します。

講習の内容は、昨年4月に発生した知床遊覧船沈没事故について福岡海上保安部のお話、博多税関支署の「税関からのお知らせ」、日本海洋レジャー安全・振興協会救助事業部の「運転不自由船の曳航・伴走サービス」、一般社団法人ふくおかFUNの「博多の海を守りたい」となっています。万一の時に実際に役立つ内容ですので、一人でも多くの皆様の参加をお待ちしています。ヨットクラブに加入されていない皆様も、この機会にぜひ受講していただくようお勧めします。

1.開催日時  令和5年2月19日(日)13:00~15:00(予定)*受付は12:30から

2.場  所  福岡市ヨットハーバー(福岡市西区小戸)クラブハウス2階 第2会議室

3.参 加 費   無 料

4.申込期限  当日可

5.問い合わせ先 福岡市ヨットハーバー管理事務所(担当:菅原)

         TEL:092-882-2151  FAX:092-881-2344

   [2023年クルーザー安全講習会実施要項]

「2020年クルーザー安全講習会」終了

2020年2月17日

万一の事故や緊急時の対応など、クルーザーを安全に運航するための知識を習得することを目的に2014年から毎年「クルーザー安全講習会」を開催してきました。今年は2月16日(日)に、福岡市ヨットハーバー管理事務所が主催し、博多湾をベースに活動する福岡ヨットクラブ、博多ヨットクラブ協力のもとに開催し、クルーザーのオーナー、クルーの皆さん34名が参加しました。福岡ヨットクラブ、博多ヨットクラブとも今年のシリーズレースが3月から始まるため2月に開催したものです。

午前10時に開講し、主催のヨットハーバー管理事務所の菅原氏の挨拶の後、協力団体の博多ヨットクラブ山田会長、福岡ヨットクラブ沼田会長の挨拶に続き、JSAF日本セーリング連盟ルール委員会の大村雅一副委員長から「安全にセーリングするためのルール」について講話がありました。2014年の第1回から昨年までは、JSAF日本セーリング連盟外洋安全委員会から講師をお招きし、主に落水対策やライフジャケットについてお話をしていただきましたが、今年はJSAFルール委員会の大村雅一副委員長をお招きし、「外洋セーラーのためのルール講習会」をテーマに、レース中の接触、衝突を防止するにはということを中心にお話をしていただきました。小型のディンギーヨットとは違って外洋クルーザーはすぐには止まれないため、スタートやマーク回航時に衝突などの事故を防ぐためには、それぞれの乗員がしっかりルールを理解して安全なセーリングに心がけることが一番大切です。

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午後は、福岡海上保安部交通課から、福岡地区における海難事故発生状況と事故防止、ライフジャケットの着用、海の安全情報の有効活用についての話があり、次に、門司税関博多税関支署から、不正薬物等の密輸防止のために、クルージング中などに不審な船舶を発見したときは税関に通報していただきたいとのお願いがありました。最後に日本海洋レジャー振興協会九州事業部からは運転不自由船の曳航・伴走サービスについての話があり午後2時30分に講習会を終了しました。

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「2019年クルーザー安全講習会」終了

2019年2月25日

万一の事故や緊急時の対応など、クルーザーを安全に運航するための知識と技術を習得することを目的に、博多湾をベースに活動する福岡ヨットクラブ(FYC)、博多ヨットクラブ(HYC)と福岡市ヨットハーバー管理事務所の主催で、「クルーザー安全講習会」を2月3日(日)に開催し、クルーザーのオーナー、クルーの皆さん40名が参加しました。福岡ヨットクラブ、博多ヨットクラブとも今年のシリーズレースが3月から始まるため2月に開催したものです。

初めに、福岡海上保安部安全対策課からは、博多湾における海難事故例と118番通報についての話があり、次に、JSAF日本セーリング連盟外洋安全員会の剥岩委員、JSAFの大村事務局長から落水対策やライフジャケットの説明がありました。次に、福岡市消防局からは人工蘇生術やAEDの操作についての話があり、次に、日本海洋レジャー振興協会九州事業部からは運転不自由船の曳航・伴走サービスについての話がありました。最後に、門司税関博多税関支署から海外から物を持ってきた際の注意点についての話がありました。

ここ何年か国内でヨットの死亡事故が頻発しましたがすべて落水によるもので、亡くなられた方はすべて60歳以上のベテラン者で、ベテランであるがゆえに慣れや過信があったのではないでしょうか。経験や知識は豊富でも加齢に伴う体力低下などを客観的に判断し、自らに真摯に向き合うことが大切です。「自分を守るのは自分でしかない」、「安全は与えられるものものではない、自分たちで確立するもの」、「乗員個々人が安全に対しての高い意識を持ち続ける」、「慣れから来る油断に注意」、「死亡に至る事故はすべて落水から起こっている」、「最大の事故防止は落水しないこと」、「セーリングの基本は自然に対峙すること」を強く認識することです。皆さん、出港するときは必ずライフジャケットを着用しましょう!

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「2018年クルーザー安全講習会」終了

2018年3月07日

万一の事故や緊急時の対応など、クルーザーを安全に運航するための知識と技術を習得することを目的に、博多湾をベースに活動する福岡ヨットクラブ(FYC)、博多ヨットクラブ(HYC)と福岡市ヨットハーバー管理事務所の主催で、今年は博多ヨットクラブが主管して「クルーザー安全講習会」を2月25日(日)に開催し、クルーザーのオーナー、クルーの皆さん62名(内、HYC会員艇20艇、48名)が参加しました。福岡ヨットクラブ、博多ヨットクラブとも今年のシリーズレースが3月から始まるため2月に開催したものです。開講に先立ち主催者を代表して博多ヨットクラブの山田会長から挨拶がありました。

初めに、一般財団法人 日本海洋レジャー安全・振興協会救助事業部 九州BAN担当部長より、会員制のプレジャーボート救助事業の案内がありました。BAN(Boat Assistance Network)のサービスエリアが、現在は東京湾から大阪湾までの太平洋沿岸及び瀬戸内海、並びに日本海の若狭湾ですが、平成30年4月から九州の玄界灘までサービスエリアを拡大することから、機関故障等で自力航行ができなくなった場合の曳航救助サービス事業の紹介を行っていただきました。

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続いて、福岡海上保安部からは、交通課地域海難防止対策官から〇福岡地区の海難発生状況、〇事故防止の基本、〇事故に備える、〇海の安全情報の有効活用についての講話がありました。講話を始める前に、船舶全般、航法、機関故障を防ぐ手立て、ライフジャケット着用と連絡体制確保についての簡単なペーパーテストがありました。また、事故に備える講話の中で、本年2月1日より法令等改正によりライフジャケットの着用が義務化されたことに伴い、膨張式のライフジャケットの点検の実技がありました。近年は膨張式が急速に普及しているが、定期的な点検の必要性、特にCO₂ボンベの状態確認など大変参考になるお話がありました。

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最後に、JSAF日本セーリング連盟外洋安全員会の大坪委員長から〇ライフジャケット着用義務に係る法令改正、〇改正の主要点、〇法令上のライフジャケットの定義、〇着用義務の適用除外、〇船舶による競技(ヨットレース)における着用義務の適用除外について解説がありました。最後に、〇安全意識と責任、〇法律や規則は安全を守ってくれない、〇自分を守るのは自分自身でしかない(乗員の責任)、〇落水は死に直結するため絶対に落水しないことなど、「安全航行」のための鉄則を強く訴えられました。

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ここ何年か国内でヨットの死亡事故が頻発しましたがすべて落水によるもので、亡くなられた方はすべて60歳以上のベテラン者で、ベテランであるがゆえに慣れや過信があったのではないでしょうか。経験や知識は豊富でも加齢に伴う体力低下などを客観的に判断し、自らに真摯に向き合うことが大切です。「自分を守るのは自分でしかない」、「安全は与えられるものものではない、自分たちで確立するもの」、「乗員個々人が安全に対しての高い意識を持ち続ける」、「慣れから来る油断に注意」、「死亡に至る事故はすべて落水から起こっている」、「最大の事故防止は落水しないこと」、「セーリングの基本は自然に対峙すること」を強く認識することです。皆さん、出港するときは必ずライフジャケットを着用しましょう!

「2017年クルーザー安全講習会」無事終了

2017年3月29日

万一の事故や緊急時の対応など、クルーザーを安全に運航するための知識と技術を習得することを目的に、博多湾をベースに活動する3つのヨットクラブ、玄海ヨットクラブ(GYC)、福岡ヨットクラブ(FYC)、博多ヨットクラブ(HYC)が合同で福岡市ヨットハーバー管理事務所の協力を得て実施している「クルーザー安全講習会」を3月26日(日)に開催しました。今年は福岡ヨットクラブが主管しました。クルーザーのオーナー、クルーの皆さん44名(内、HYC会員艇20艇)が参加されました。開講に先立ち主催者を代表して福岡ヨットクラブの沼田会長から挨拶がありました。

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講習会の午前の部はJSAF日本セーリング連盟外洋安全員会の大坪委員長から「クルーザーの安全対策について」の講話がありました。大坪委員長の講話も今年で4回目です。大坪氏は20歳からヨット(クルーザー)を始められ、30年間にわたってホームグランドである相模湾を中心に年間100日ほどヨットに乗られています。国内外のメジャーレースにも多数参加されており、国内ではジャパンカップやX-35全日本、Melges32全日本、大島レース、神子元島レース、パールレース、沖縄-東海レース、アリランレース、海外ではトランスパックレース、キーウェストレースウィーク、X-35World、Melges32Worldなど、インショア、ロングの経験も豊富です。今回の講習では、大坪氏がレースに参加する際にどのような安全対策を行っているか、自身の命を守るためには何が大切かなど、実体験に基づくお話が中心でしたので参加者も熱心に聞き入っていました。

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2012年~2014年に国内でヨットの死亡事故が頻発しましたが、すべて落水によるものでした。大坪氏も長いヨット生活の中で死亡事故をいろいろ聞いてきたが、落水以外の要因によるものは無かったそうです。ゆえに、「絶対に落水しないこと。落水したら終わりと思っている。」これを信条にしているとのことです。また2012年~2014年の落水死亡事故は、全員が60歳以上のベテラン者で、ベテランであるがゆえに慣れや過信があったのではないかと推測されていました。経験や知識は豊富でも加齢に伴う体力低下などを客観的に判断し、自らに真摯に向き合うことが大切です。今回の講習で特に心に響いたフレーズは、「自分を守るのは自分でしかない」、「安全は与えられるものものではない、自分たちで確立するもの」、「乗員個々人が安全に対しての高い意識を持ち続ける」、「慣れから来る油断に注意」、「死亡に至る事故はすべて落水から起こっている」、「最大の事故防止は落水しないこと」、「艇長の責任は重要」、「オーナーの責任も重要」で、「セーリングの基本は自然に対峙すること」を強く認識することです。

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落水しても無事に救助されることもありますが、そのためにはライフジャケット(救命胴衣)着用が不可欠です。いろいろなタイプがありますので、セーリングスタイルに合わせて適切なライフジャケットを選ぶことが大変重要です。最近は膨張式タイプが多く出回っていますが、いざという時に膨らまないこともあるので定期的な点検が不可欠です。実際に落水死亡事故で膨らんでいなかったケースもあるとのことです。それよりも落水しないことが一番です。そのためにはテザー(セーフティライン)で確実に船体と繋がっていることが大切です。そして、万一放り出されても身体が海中に没しないように船体の左右中央にクリップしておくことが大事です。両舷のデッキ上に這わせているジャックスティやライフラインにクリップしておくと、船体と繋がっていても身体は海の中ということになりますのでとても危険です。

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昼食後は福岡市消防局からの講話。福岡市民防災センターから講師を招き、低体温症と救命(胸骨圧迫-心臓マッサージ)のお話を聞きました。人の体温は一般的には37℃で、低体温とは軽度(35℃~32℃)、中等度(32℃~28℃)、高度(28℃以下)の状態です。軽度では震えが止まらない、筋肉が硬直し出す、無気力、呼吸が速くなるなどの症状が、中等度では錯乱状態に陥る、呼吸が遅くなる、不整脈が出だすなどの症状が、高度では意識がなくなる、呼吸が止まり出すなどの症状が現れます。対処法としては、軽度の場合は〇温かいものを飲ませる(ちょっと甘めがよい。アルコールは絶対にダメ)〇乾いた衣服に着替えさせる〇呼びかけを続ける。中等度、高度の場合は直ちに救命センターに搬送すること。救命では胸骨圧迫(心臓マッサージ)を習いました。意識がないときは迷わず「119番」通報をし、呼吸がないと判断した時はただちに心臓マッサージをする(3分が勝負!)胸骨の上から1分間に100回以上のペース(120回くらいがベスト)で行い、意識が戻ったら横向きにすることが大事。最後に人形を使った実技講習もありました。

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福岡海上保安部からは交通課主任航行管理官からプレジャーボートの海難防止についての講話がありました。全国の海難の状況、福岡海保管内における海難の実態、遵守事項、ライフジャケットの点検、もし事故が発生した時の対応について貴重なお話がありました。毎年3~5月の春季にはプレジャーボートによる事故が急増するとのこと。事故の種類別発生状況では機関故障、運航阻害(バッテリー過放電、燃料欠乏)、衝突が圧倒的に多いそうです。衝突はプレジャーボートと漁船が多いとのことです。福岡管内の海難事故ではプレジャーボート、漁船などの小型船舶が7~8割を占めているとのことです。万一事故が起きた場合、海保の取調べ、運輸調査委員による原因調査、海難審判による行政処分、怪我の治療、相手方の損害の補償、自船の修理と、多くの時間と労力を費やすことになります。法令に定める遵守事項は必ず守って事故を起こさないように、また事故に遭わないようにしましょう。平成30年2月1日以降、小型船舶の甲板上ではライフジャケットの着用が義務付けられ、34年2月1日からは違反点数の付与も開始されます。膨張式ライフジャケットのボンベ不具合による事故もあることから、ライフジャケットの日常点検も欠かさないようにしましょう。万一海上で事故が発生したらどうするか。直ちに人命の救助を行うとともに、「118番」やマリーナなどに事故の状況を正確に連絡しましょう。

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講習会の最後は、ポンツーンに係留しているヨットを使って、バウワーク時の注意点、テザー(セーフティライン)のクリップ位置などを大坪講師が実演して、第4回目のクルーザー安全講習会を終了しました。

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今年はGW期間中に日韓親善アリランレースがあるため、レース参加予定のヨットからも受講があり、皆さん一様に安全対策には万全を期そうと気持ちを新たにしました。ご協力いただいた関係機関・団体の皆様、本当にありがとうございました。

3月26日(日)開催「クルーザー安全講習会」へご参加ください

2017年3月04日

クルーザーヨットで海を楽しむ皆さん、安全への対策は万全ですか。一旦海に出ると安全には細心の注意を払っていても、天候の急変などにより避けがたい突発的な状況に遭遇することがあります。万一の事故や緊急時の対応など、クルーザーを「安全」に運航するための知識と技術を習得することを目的に、FYC福岡ヨットクラブ、GYC玄海ヨットクラブ、HYC博多ヨットクラブと福岡市ヨットハーバーが合同で「クルーザー安全講習会」を開催します。今年はFYC福岡ヨットクラブが主管します。

講習会の内容は、JSAF日本セーリング連盟外洋安全委員長の講話、福岡海上保安部による海の安全に関するお話、福岡市消防局による救急救命に関するお話と実技、落水者救助の実演など、万一の時に実際に役立つ内容ですので、一人でも多くの皆様の参加をお待ちしています。

1.開催日時  平成29年3月26日(日)10:00~16:30(予定) *受付は9:30から

2.場  所    福岡市ヨットハーバー(福岡市西区小戸) 2階 第2会議室

3.参加費        1,000円/1名  *昼食弁当を頼まれる方は別途500円(当日の受付時に申込み)

4.申込期限   平成29年3月21日(火)まで

5.申込み先  各所属ヨットクラブ

          または、福岡市ヨットハーバー管理事務所(担当:菅原 TEL 092-882-2151)

※ヨットクラブに加入していないクルーザーの方も歓迎しますので、ぜひこの機会に受講してください。

「2016クルーザー安全講習会」無事終了

2016年5月27日

博多湾をベースに活動する3つのヨットクラブ、玄海ヨットクラブ(GYC)、福岡ヨットクラブ(FYC)、博多 ヨットクラブ(HYC)が合同で福岡市ヨットハーバー管理事務所の協力を得て58日(日)に「クルーザー安全講習会」を開催しました。今年で3年連続3回目の開催、加えてゴールデンウィークの最終日ということも影響したのか参加者は若干少なめ。しかし、見かけない方が参加されているようで(私が知らないだけかもしれませんが)、安全に対する意識が広がりを見せているのかも知れません。クルーザーのオーナー、クルーの皆さん37名(内、HYC会員艇14艇)が参加されました。開講に先立ち、主催者を代表して玄海ヨットクラブの久芳副会長から挨拶がありました。

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講習会午前の部はお馴染み、JSAF日本セーリング連盟外洋安全委員会の大坪委員長から「クルーザーの安全対策について」と題しての講話です。3回目ということで最初は「落水しないこと」のおさらいからはじまりました。セーフティーラインの色々なフック形状や各々の特性、­­­そして使用方法。説明の中で「トップセーラーがバウ作業をするときに、両手で作業したいからセーフティラインを使って身体をしっかり固定する」との話がありました。確かに揺れるデッキ上でのバウマンの動きを後ろから見ているとヒヤヒヤです。うちのバウマンにもいつもハーネスとセーフティーラインを装着するように伝えたいと思います。

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次のテーマは落水の準備(?)と対処方法。先ずはライフジャケット。ライフジャケットもいろんな種類があり、それぞれ浮き方が異なります。「出場するレースによって使用するライフジャケットを選ぶ」ことは昨年も話がありましたが、今回はビデオ映像を見ながら実際の浮き方の違いについての説明がありました。低体温症対策として頭部をすっぽり覆い、自分の吐く息で体温低下を防ぐタイプや身体をしっかり浮かせるものなど、映像で見ると一目瞭然です。大坪委員長のようにレースや海域による使い分けも一つの方法かも知れませんが、高性能なライフジャケットをひとつ持つことも自分にとっての得策ではと思いながら映像を見ていました。また、二人以上での落水なら水の中での“密着”も低体温対策には有効だそうです。水中での押しくら饅頭です。これも映像で紹介されていました。なにより低体温症から守るためにはいち早く救助すること。そのための手段として落水者捜索機器があります。人工衛星経由で海上保安庁に遭難信号を送る「PLB」は昨年の法改正で国内使用が可能になりました。また「パーソナルAIS」は国際VHFを通して自艇や周辺のAIS搭載船舶に落水者の位置情報を発信、迅速に捜索可能にするもの。この2種は大きく異なる特徴のため、これも状況に応じた使い分けが必要です。大坪委員長の講話で何度も聞かれた「いくつかの方法を理解した上で、自分なりの最良の方法を探し使い分ける」という主旨の言葉がとても印象的でした。

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昼食後は福岡市消防局からの講話。午前中の話同様に低体温症の話から胸骨圧迫の救急救命法とAED使用の実技です。講師の救急救命士の方は「目の前に心肺停止の人がいたら勇気を持って心肺蘇生を行うこと」だそうです。その時、本当に勇気が出せるでしょうか?

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福岡海上保安部からは小型船舶の海難防止の講話です。機関等の点検の必要性や沿岸域情報提供システム(MICS)の有効活用についての案内があり、座学が終了しました。 

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外での実習は、信号弾の発射訓練とライフラフトの投下・展開・乗り移り。信号弾は前年小戸公園に飛び込んだ経緯もあり、今年は安全面を考慮して「信号紅炎」の着火実習のみの実施です。普通に着火する体験訓練が行われましたが、参加者からのリクエストで実際の使用状況に即して、着火で擦る部分が水で濡れた場合に着火できるかの実験も行われ、見事に着火しました。確かに濡れていたら使えないでは困りますね。

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今回の目玉のひとつ「ライフラフト」の投下等については残念ながら開かずに終了。かなり年数が経過していたためで、定期的な整備の必要性を痛感しました。教室に戻り、ビデオ映像で投下から展開・乗り込みまでの一連の流れが説明されました。

動画だとはわかり易く、理解度が向上します。ライフラフトや前述のライフジャケットについてはYou Tubeにアップされているそうで、一度ご覧ください。講習会に参加された皆さん、「安全」が一番です。今回の講習内容をいざというときに役立ててください。第3回「クルーザー安全講習会」は無事終了しました。関係団体・機関の皆様、ありがとうございました。

ライフラフト   https://www.youtube.com/watch?v=LjJgR0ndYbo

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最後に余談として、2017年アメリカズカップ本戦に向けた「ルイ・ヴィトンカップワールドシリーズ」の最終戦が、今年の秋に福岡で開催されることがどうやら決まったらしいとのお知らせがあり、今日一番の盛り上がりを見せました。あのめちゃめちゃかっこいいアメリカズカップ艇と世界の超一流のトップセーラーが博多湾に集結するなんて、夢のような話です。

「2015クルーザー安全講習会」無事終了

2015年4月17日

博多湾をベースに活動する3つのヨットクラブ、玄海ヨットクラブ(GYC)、福岡ヨットクラブ(FYC)、博多ヨットクラブ(HYC)と福岡市ヨットハーバー管理事務所が合同で4月12日(日)に「クルーザー安全講習会」を開催しました(10:00~15:30)。    ※写真は左から順に経過を表しています。また画像をクリックすると拡大します。

ここ数年クルーザーヨットからの落水事故が頻発しています。「落水」は「死亡」に直結するきわめて憂慮すべき事態ですので先ずは落水しないことが肝心です。昨年2014年にはJSAF日本セーリング連盟が把握している範囲で国内では5件の落水事故が発生しています。昨年8月には相模湾で開催されたヨットレースにおいて71歳のヘルムスマンが強風によるブローチングで落水するという事故が発生していますが幸いにも約2時間後に捜索活動中の巡視艇に救助されて一命を取り留めました。他の4件においても幸いにも無事に救助されていますが、いずれも自艇での救助はできていません。海では安全には細心の注意を払っていても避けがたい突発的な状況に遭遇することがあります。いざという時に適切な対応ができるか否かでダメージを最小限に食い止めることができます。日ごろから安全への配慮に心がけるとともに正しい知識を身に着けておくことが大切です。昨年に続き今年もJSAF日本セーリング連盟外洋安全委員会の大坪委員長を講師にお招きして、クルーザーのオーナー、クルー75名の皆様に参加いただき安全講習会を開催しました。今年は博多湾内だけではなく佐賀市や唐津市、福津市からも参加がありました。会場内の一角にはハーバー内マリンショップ・シップチャンドラーさんの協力で、ライフジャケット、短めのテザー(ハーネスライン)、ヒービングライン、エマージェンシーライト、シーマーカー(着色剤)、落水者引き上げ用のテークル装置など安全装備品を展示・紹介するコーナーも設置しました。開講に先立ち、主催者を代表してハーバー施設管理者の立場から福岡市ヨットハーバー管理事務所上野所長、続いてヨットクラブを代表してGYC玄海ヨットクラブ末松会長の挨拶がありました。

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午前の部は東京から来ていただいたJSAF日本セーリング連盟外洋安全委員会の大坪委員長から「安全意識と責任」「落水救助より落水しないこと」「ハーネステザーとライフジャケット」「最近の落水事故の実例」をテーマに講話をしていただきました。最近はレースやクルージングなど高齢者の割合が高く、航海術や操船技術の知識は豊富であるがとっさのときに頭では分かっていても体が付いて行かないという、加齢による体力の衰えを十分に認識しておくことも被害を防ぐために大切だとの話がありました。また安全訓練は事故後の対応であり、やはり事故前の対応(事故を起こさない対応)が重要であるとの話もありました。安全のためには帆走技術の向上が絶対のベースである、テザー(ハーネスライン)が船に繋がっていればいいというのは誤りで船の中に留まる(デッキから投げ出されない)ことが大事という話もありました。最後に各種テザー、ライフジャケット、落水者捜索機器の紹介と最近の落水事故の実例紹介がありました。

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午後からは福岡市消防局救急課の救急救命士を講師に「救急救命の現状と対応」「心肺停止」「低体温」「心臓マッサージ・人工呼吸・AED取扱い」「脳卒中」について話をしていただきました。講習の最後には参加者による心臓マッサージの実技指導もありました。

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続いて福岡海上保安部交通課の専門官から「落水事故」「遭難通報」「海上保安部の救助体制」「救助を待つ待機態勢」などについて話をしていただきました。事故に遭遇した時などの緊急通報では、通報手段として衛星携帯電話、船舶電話、国際VHFなどの通信機器があるが、ほとんどの皆さんが所持している「携帯電話」で「118番」をダイヤルすると海域を管轄する海上保安本部の指令センターに直接繋がります(福岡、佐賀、長崎、大分と山口の一部の海域は北九州市門司の第7管区海上保安本部)。携帯電話の通報が優れているのは発信者の位置が誤差5mほどで分かるため管轄する海上保安部(海上保安署)にただちに所要の態勢を指示することができます。荒れた海では巡視船・艇が直接ヨットに接舷することは極めて危険であるため、遭難者を救助するには通常はヘリコプターで行うとのこと。ただしヨットはマストや索具があるためヘリコプターから救助員を直接ヨット上に降ろすことができないなどの現場での苦労話もありました。何はともあれ「絶対に海に落ちてはダメ、海に落ちないようにすることが一番」ということでした。

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室内での座学はこれで終了し火せんや信号紅炎など信号弾の発射・点火訓練のためディンギーヤード突端の岸壁に移動しました。先ずは海上保安部員から信号の種類と点火の要領の説明があり、受講者が実際に手に取っていよいよ点火します。最初はパラシュートフレアを発射します。パーンという音とともに信号弾が勢いよく上空に飛び出していきました。次は信号紅炎に点火しました。安全備品としてヨットに装備している信号弾ですが、ほとんどの方が使ったことがなく皆さん熱心に見守っていました。

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最後に「落水者救助訓練」です。岸壁前のゲストポンツーンに係留した2艇のヨット(24フィート、33フィート)で落水が発生し、それぞれの方法でヨット上に引き上げる訓練を行いました。強風で波の高い海を帆走中に大きな横波を受けてヒールした際にクルーが落水したという想定のもとに落水者確保、引き上げまでの手順を実践しました。昨年は落水者役を元気のいい大学ヨット部の学生が務めましたが今年はよりリアル感を出すために50代男性と30代女性を起用しました。

1番艇は会員艇“Summertime”(24フィート)。落水者にライフスリングを投下しヨットに引き寄せて、4:1のテークルを組んだ引き上げ装置の一方の端をメインハリヤードに取り付けデッキ上2mほどの高さに固定し、反対側を落水者に取り付けて大人ひとりでテークルのロープを引き込んで吊り上げていく。かなり軽々と持ち上げることができました。

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2番艇は会員艇“Freestyle”(33フィート)。落水者にライフスリングを投下しヨットに引き寄せて、メインハリヤードを直接落水者に取り付けてスターン部から引き上げました。こちらも比較的楽に引き上げることができました。

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今回の安全講習会は「命」に関わることであり参加者全員が熱心に受講されていました。JSAF外洋安全委員長の話では「自分を守るのは自分でしかない」が大原則であり、海に落ちないこと、自分の今の体力を知っておくこと、消防救急課の話では心肺停止状態では素早い心臓マッサージ・人工呼吸を行うこと、低体温について理解しておくこと、「脳卒中」の疑いがあるときは時間が勝負なので躊躇せずに救急車を呼ぶこと、海上保安部の話では海に落ちないことが一番、遭難した時はすぐに118番に電話することなどがポイントでした。

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