本部船運営記。2016年第4レースは“Little Wing”さんでした。
6月19日(日)の第4レースは“Little Wing”チームに本部船を担当していただきました。今日の天気予報は午前中は雨模様で、南寄りの風、8ノット前後ということでしたが、未明まで激しく降っていた雨も朝には降り止み、まずまずの天候です。8時半過ぎには本部船メンバー、レース委員長もハーバーに到着し、今日のレースコースの決定、本部船への運営用品の積み込み、9時半からの受付準備を済ませます。コースは博多湾口の机島そばの「クタベ゙瀬・黄色ブイ」時計回りに決定。10時の受付終了で20艇(内オープン参加1艇)が参加です。
出港準備を終えた参加艇と本部船が次々と出港していきます。風は西の風となり6ノット前後、うねりもほとんどなくまずまずのコンディションです。通常よりやや沖合いにスタートラインが設置され、各艇ウォーミングアップで海面を走り回っています。スタート前には風が若干北に振れ(西北西)スタボードタックでラインを流してもギリギリラインを切れない状況となったため、スタボードタックのクローズホールドでライン沿いを流し、スタート信号と同時にタックしてポートタックで出て行くか、タイミングを計ってポートタックでアプローチしてラインを切るか悩むところです。スタート2分前には多くの艇が本部船寄りからスタボードタックでラインにアプローチし、何艇かはポートタックでアウターマーク寄りからのスタートを狙っています。午前11時ちょうどにスタート信号が発せられ、リコール艇が1艇ありましたが(リコール解消)きれいにスタート。風速も若干上がりそうな気配で、意外と早いレース展開になりそうです。
回航ポイントの「クタベ瀬・黄色ブイ」までの往路では、気まぐれな風に翻弄されました。10ノット近く吹いたかと思うと4ノットまで落ち、いきなり90度風向が変わるなど各艇苦労していましたが、復路では風も安定して10ノットオーバー、ブローで18ノットまで吹きました。スタボードタックのビームリーチ~クローズリーチで、ジェネカー艇は安定した走りをしていましたが、スピンネーカーを上げた艇の中にはブローチングしていた艇もあり、なかなかダイナミックなレースになりました。
参加艇中最大の51フィートの“May be”が12:24:57に1着でフィニッシュ。2着以降も安定した走りで次々とフィニッシュし、13:23:51に最終艇がフィニッシュして無事にレースを終了しました。修正1位は3着の“Suru Sumi”さんでした。今日は雨の中でのレースを覚悟していましたが天気の回復が早く、オイルスキンを着ることもなく、セールも濡れずに快適なセーリングが楽しめました。
[以下は本部船“Little Wing”Oオーナーからのレポートです]
“Little Wing”艇としては2年振りの本部船運営となりました。前回の第3レース終了直後より、クルー全員で「HYCレース本部船運営マニュアル」を共有し、各自あらためて読み直し、イメージトレーニングを行いレース当日を迎えました。心配は天候でしたが、おおかたの予報に反して雨も上がり、夏のレースらしいコンディションとなりました。事前ミーティングでは、各自の役割分担確認を繰り返し、いつものレース以上に気合いを入れていざレース海面へ。リミットマークを設置し、マニュアルに従ってスタート手順をひとつずつ消化していきました。
さあ、いよいよスタートです。“JORDAN”さんにフライングが認められた為、ただちにリコールの宣告を行いました。本部船クルーの間に一瞬にして緊張が走ります。シモ側からのスタートのJORDANにリコールが聞こえてるかな?それで拡声器で何度も呼びかけました。もしかして聞こえてないかな?と思った瞬間、背後からクルーの1人が拡声器より馬鹿でかい声で一声を発しました!みなさんがこちらを向いたので、大変有効だったかと思いました (笑)“JORDAN”さんの実に真摯な対応により、まもなくリコール解消。なんとか無事にみなさんを送り出す事が出来ました。その後、風も上がり、レースはスピーディな展開に。昼食もそこそこに、すぐさまフィニッシュの準備にかかります。本部船の醍醐味は、何と言っても普段なかなかゆっくり見ることのできない他艇のクルーワークやコース取りなどを、じっくり見ることができる所にあるかと思います。スタートで緊張した分、フィニッシュではその醍醐味を十分に味わうことが出来ました。心配された天候もレース終了まで持ちこたえ、エキサイティングなレースになったかと思います。レース以外でもチームワークは大事ですね〜さあ次回のレースは頑張りますよ。参加艇のみなさん、お疲れ様でした! ⛵リトルウィング