カーク・パターソンさん送別会

2015年10月15日

昨年の3月に紹介したカナダ人セーラーのカークさんを覚えていらっしゃいますか。カナダ西海岸バンクーバー近郊のビクトリアに居住されて、55歳の時にヨットを始め4年ほど西海岸でヨットの練習をされ、2011年に日本を目指して出港しハワイ経由で2012年7月27日に北海道の函館に到着しました。ビクトリアを出港してハワイまで27日間、ハワイから函館まで37日間かかったそうです。ハワイまでのクルージングで修理個所が発生したためしばらく滞在することになりましたが結局11か月間滞在し、生活費を稼ぐために「バーテンダー短期養成集中講座」を1週間受けてハワイヨットクラブなどのバーでアルバイトをしたそうです。函館を起点として先ずは北海道を時計回りにぐるっと1周回って、津軽海峡を抜けて日本海を南下。あちこちの港に立ち寄って(基本的にナイトクルージングはしない、デイラン50マイルを基本)小戸の福岡市ヨットハーバーに寄港。昨年4月1日には九州一周を目指して小戸を出港されました。この時は博多のヨット仲間が集まってささやかな壮行会を催し、博多ヨットクラブ山田会長から「HYCクラブ旗」を贈呈しました。小戸を出港して平戸→五島列島→与那国島→波照間島→宮古島→石垣島→沖縄本島→加計呂麻島→奄美大島→屋久島→鹿児島→宮崎→四国から太平洋側を北上、和歌山→下田→千葉→宮城→岩手と巡って日本クルージングの起点となった函館に到着し、おまけに日本の最北端(宗谷岬)、最東端(納沙布岬)、最西端(与那国島)、最南端(波照間島)を制してめでたく日本一周クルージングが完成しました。おそらく外国人セーラーとしては初めての快挙でしょう。日本人セーラーにもそう多くはいないと思います。

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鹿児島県の加計呂麻島に立ち寄ったときに奄美大島出身の素敵な女性との出会いがありロマンスが芽生えたようです。できれば日本にずーっと住みたいとの思いで落ち着き先を考えていたところ、瀬戸内海クルージングの際に立ち寄った山口県の「周防大島」で仲良くなった漁協の方から電話があり、「今度漁港にゲスト桟橋を作ったからこっちにお出でよ」との誘いがあったそうで、今後は瀬戸内海の西の入り口に位置するここ周防大島を拠点にして日本クルージングを続ける傍ら、日本を訪れる外国人セーラーのための「日本クルージングガイド」をまとめられるそうです。できればその方面でビジネスの機会がないかと考えておられます。

1年半ぶりに小戸に寄港されたカークさんですが10月14日には「周防大島」に向けて出港されるため、10月11日に博多ヨットクラブ山田会長他と福岡市ヨットハーバーのスタッフ有志で送別会を催しました。10月7日が62歳の誕生日ということでハッピーバースデイのお祝いも兼ねました。会場はヨットハーバーの近く、姪浜漁港の漁師さんがよく利用される居酒屋「あみ屋」です。カークさんは日本食が大好きで(塩辛だけは駄目)日本酒も飲まれます。通算すると25年間日本で仕事をされていたので日本語は達者で話も大いに弾みました。周防大島では漁協の方の紹介で「古民家」を借りて、ヨットに積んでいる物品を整理して半分以上を古民家に移し、陸上と海上での生活になるそうです。独身のカークさんは加計呂麻島で出会った素敵な女性、久美(ヒサミ)さんとこれからの人生をこの周防大島で歩んでいきたいとのことでお二人の仲がうまくいきますように願っています。

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翌12日に出港前のカークさんのヨットを尋ねました。船齢25年の40フィートのスチール製クルージング艇でキャビン内は総チークで自宅のリビングで寛いでいるような落ち着ける空間です。クルージング艇にはスチールのハルが一番とのこと。理由は何よりも頑丈なこと。クルージング中に大きな流木に衝突したことがあったそうですがほとんどダメージが無く、もしFRPのハルだったら穴が空いて浸水していただろうとのことでした。またキャビン内は冬は暖かく夏は涼しいとのことです。これは外気温が低くても海水温はそうでもなく、逆に外気温が高いときは海水温が低いので、スチールの船体からダイレクトに熱が伝わってくるためです。なるほどですね。写真のカークさんの向こうに額装の白黒写真がありますが、誰だろうと近付いて見ると制服姿の軍人さんでハリウッドスターかとみまがうイケメンの美男子です。カークさんにこの方はどなたですかと尋ねると「私のお父さんです。海軍の軍人でした」との返事。残念ながらお父さんの美貌はお姉さんが引き継ぎ、私はお母さんに似たようだとのこと。いえいえご謙遜を、カークさんもなかなかの男前ですよ。電力は風力発電装置も設置していますがコクピット上の大型ソーラーパネルで冷蔵庫も含めてほとんど賄えているそうです。ついでに久美さんの写真を見せていただきましたが夏目雅子似のなかなかの美人でした。周防大島で二人の新しい生活がスタートできることを心より祈っています。

できれば日本に永住したいとの強い思いがあるそうですが、どうして日本がそんなに好きなのか尋ねました。日本には四季の移り変わりがありとても素敵だ。また日本の伝統的な文化も魅力的だ。何よりもフレンドリーな人の温かさが一番だとのことでした。12月には3か月ほどカナダに帰るそうですがその時に久美さんが一緒であればHappyですね。来年は壱岐、対馬、五島を含めて九州一周、そして四国一周を、再来年には南西諸島、石垣島、南大東島、小笠原をクルージングされる予定とのこと。航海の安全をお祈りしています。

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