本部船運営記。2017年第9レースは“翔 風”さんでした。

2017年10月19日

10月15日(日)の第9レースは“翔風”さんに本部船を担当していただきました。

今日は一日中雨で、北北東~北東の風、15ノット前後との予報。午前7時半には本部船メンバーがハーバーに集合し、レース委員長ほかHYC役員も8時には集合しました。レースコースをどうするか相談し、今日は風もいいようだから久しぶりに外洋に出て「相島」回航にしようと決定しました。本部船運営メンバーは船にマークブイや信号旗などの運営用品を積み込み、クラブハウス2階でレース参加受付の準備に当たりました。受付は8:30~9:00で今日の参加は14艇。生憎の悪天候で参加艇も少ないようです。

DSC05659DSC05661

DSC056679時半にはスタートラインが設置され、雨の中を各艇セールを上げてタックやジャイブを繰り返してウォーミングアップで体をほぐしてスタートに備えます。各艇ともジブセールを№1にするか№3にするかで迷っていたようですが、強風に備えて№3ジブを上げている艇がほとんどでした。10:00ちょうどにスタート信号が発せられ、15ノット近い風の中を元気よく飛び出して行きました。スタート直後に長音一声とX旗が掲揚されたのでリコール艇があったようです。

第1関門の博多湾口の「シタエ曽根」まではスタボードタックのクローズホールド。スタート後徐々に風速も上がって15~18ノットになりましたが、その後15ノット前後になったので、途中でセールをチェンジして№1ジブを上げる艇もありました。しかしながら「シタエ曽根」近くでは17~20ノットと風速も上がり、全艇№3ジブで「相島」を目指しましたが、ちょうど相島方向から風が吹いてくるのでスタボードタックで沖寄りに走る艇、ポートタックで岸よりに走る艇と別れました。相島を時計回りに回航して後ろからの風になったので、各艇一斉にスピン、ジェネカーを上げて「シタエ曽根」方向に向かいます。この頃には風速も20~24ノット、ブローで30ノット近くまで吹き上がり、白波を掻き分けてかっ飛び状態で爆走です。一瞬でも気を抜けない緊張の連続でした。スピンを破る艇、ジャイブでジェネカーをフォアステイに巻き付ける艇もありましたが何とか解消してレースを続行。ただ1艇だけはスピンが破裂して上下に千切れ、上半分がマスト上部で吹き流しのような状態になって解消できずに無念のリタイヤとなりました。「シタエ曽根」を回って博多湾に入ると、風が若干東に振れてポートタックのクローズドリーチ。フィニッシュラインに向けて一直線のコースとなり、各艇最後の力を振り絞っての力走です。

IMG_7558IMG_7563

13:29:08に“May be”(Sprint 51)が1着でフィニッシュ。13:38:58に“Humming bird Ⅴ”(ロッドマン 42)が2着。トップから41分遅れで“Bebe”(BENETEAU OCEANIS 45)が3着、さすがに大型艇は速いです。その後、後続艇も次々にフィニッシュして無事にレースが終了しました。Suru Sumiはスピン破損でリタイヤ、HIROは惜しくもタイムリミットに間に合いませんでした。参加艇の皆様、そして本部船を運営した“翔風”の皆様、悪天候の中、本当にお疲れ様でした。今日は一日中雨が降りやまず、風も10~30ノット近く吹いてかなりハードなコンディションでしたが、幸いにも人的被害は無く、久しぶりの外洋レースに皆さん満足されていたようです。来月の第10レースは今季最終戦です。1艇でも多くの皆様の参加をお待ちしています。

[以下は本部船“翔風”のN氏からのレポートです]

雨のレースとなった。数日前からわかってはいたが、朝起きて雨が降っているとやはり気持ちも今一つ。なぜ日曜日に、それも久しぶりの相島に限って雨なのだろう。考えても仕方ない。7:30にメンバー全員ハーバーに集合して2班に分かれる。ロッカーに行ってフォグホーンと拡声器を取ったのち、倉庫からフラッグとリミットマークなどを台車に積んで自船に乗せる。残りのメンバーはクラブハウス2階で8時過ぎから受付。今日の風は落ちそうにないので、コースはレース委員長の「久しぶりに相島、見に行こうか!!」で決定。

夕方の新幹線で大阪まで帰らなければならないJ艇のU氏を乗っけて9:10にハーバーを出港。ほどなくレース海面に着き、リミットマークを打ったのち、本部船をアンカリングしてスタートラインを設置。メンバーの役割を再確認してスタートに備える。5分前、4分前、1分前・・・だんだん各艇が加速していく。この緊張感いつもたまらない。10:00ジャストにスタート。インディビジュアルのリコールがあったがリコールの解消を確認した後、いったんハーバーに戻る。

ここからは本部船のみに許された至福の時間。お外は冷たい雨、みんなはアップウインドの雨の中,相島目指して懸命に走っているのだろう、ご苦労様。こちらのキャビンの中は暖かなおでんの鍋。冷たい雨を見ながらのおでんは格別である。今日は相島だし,ゆっくり時間はあると思ってみたが、外を見ると風速が上がっている。過去3年間のHYC相島レースの所要時間最短は1~18kntで4時間2分。まあ、相島までは上りだし、どんなに早くても3時間30分位はかかるだろうと思いながらも遅刻は許されない。鍋の底に残された最後のごぼう天を口に放り込み、12:45再びハーバーを出港。ほどなくレースに海面到着しフィニッシュラインを設置。

「ほ~ら,まだまだ来ないでしょう」って言った10分後、なんと志賀島西方面にてヨットらしきものを発見。まだ午後1時を少し回っただけ、スタートから3時間しか経っていない。信じがたいが、こんな雨の中走っているヨットはHYCの船か学生のディンギーくらい。おそらく船の影はHYCトップ艇であろう。13:29、51フィートのMay beがファーストホーム。続いてHumming bird V。それから待つこと暫し。Bebeをはじめ各艇がフィニッシュ。16:00のタイムリミットまで12艇のフィニッシュ時間を確認。スピンを破損し、機走で帰還したS艇、あと5分あればDNFにならなかったH艇、残念ながら2艇にはホーンを鳴らせませんでしたがお疲れ様でした。これにて本部船のお仕事終了。リミットマークを回収し帰路についた。

10月の冷たい雨にも負ケズ、27ノットの風にも負ケズ、そして二日酔いにも、腰痛にも負ケズ走ってこられた各艇の皆さん、フィニッシュラインで見ていて本当にいい顔していました。

おしまい。-翔風 なかがわ-


博多ヨットクラブとは規約組織会員艇入会案内オリジナルグッズサイトマップ

copyright © HAKATA YACHT CLUB All Rights Reserved.