「壱岐-福岡ヨットレース 2019」終了報告

2019年9月22日

9月16日の敬老の日、玄界灘に浮かぶ長崎県の離島、壱岐と福岡市を結ぶヨットレース「壱岐市長杯 壱岐-福岡ヨットレース 2109」が開催されました。博多ヨットクラブ主催の壱岐レース、壱岐市ならびに壱岐市観光連盟の後援を得て新たにスタートしたレースも今年で3回目。昨年はレース中盤から微風、無風に悩まされ、結局17時のタイムリミットまでに1艇もフィニッシュできなかったため無念のノーレースとなり、この年に壱岐市よりいただいた「壱岐市長杯」もお預けとなりました。今年は数日前からの気象予報では北寄りの15~20ノットの風が吹くと予想され、ダイナミックなレースが期待されました。今回のエントリーは博多湾で活動しているヨットを中心に、遠くは兵庫県の西宮から2艇、他にも大分・別府、山口・室津、北九州・若松からも参加いただき、全長25フィートから50フィートまで33艇の参加がありました。例年8月の最終日曜日に開催されていた「ハウステンボスヨットレース」が今年は開催時期を9月15日(日)にされたため、昨年、一昨年と参加していたヨット数艇がハウステンボスに行かれたようです。

現地運営メンバー9名はヨットZEPHYRUSで14日(土)に現地入りし、壱岐側の窓口となっていただいた観光連盟の担当者と最終打ち合わせを行い、夜は大会の成功を願って懇親を深めました。さすがに9月中旬ともなれば朝晩はだいぶ涼しくなりましたが、晴天の日中はまだまだ夏の暑さが残っています。15日(日)は朝から観光連盟スタッフの方と泊地の市営浮桟橋で暑さしのぎも兼ねた受付用テントを設営。11時過ぎからの参加艇の入港を待ち受けました。係留岸壁には「ヨットレース歓迎」のぼり旗も設置され大会気分を盛り上げます。11時半頃に最初の1艇が入港し、大きさ順にあらかじめA~Eに振り分けていた桟橋に誘導して舫いを受け取りました。その後も次々に入港があり、16時過ぎには予定していた全艇の入港が完了しました。やはり壱岐の海はきれいです。透明度も高く、まだまだ海水浴もできる状況だったので、数艇はさっそくクルーが海に入りレースに備えて船底掃除をしていました。14時からと15時の2回に分けて、クルーザーヨットに触れることのない壱岐の小学生と親御さんが、係留中の大型ヨットに乗船しデッキやキャビンを見学した。各ヨットのメンバーも親切に対応し、ウインチやラット、コンパスなどの計器の働きを説明し、キャビンに入った子供たちがバウハッチから顔を出したり「お母さん、台所があるよ」、「ちゃんとトイレもあるよ」など、新しい発見に興味津々の様子だった。

観光連盟が紹介した宿に宿泊する皆さんは、観光連盟が計画輸送をしていただき、次々に宿に向かい、シャワー等を浴びて回航の疲れを取って前夜祭までしばしの休憩。宿を取らずに船中泊される皆さんは近くの旅館で風呂を使わせていただき、前夜祭までヨットで休憩。17時30分には迎えのバスで前夜祭会場に向かいました。

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さーあ、午後6時からはお待ちかねの前夜祭。5時半過ぎ頃から会場の「あまごころ本舗」に各チームのメンバーが参集し始め、5時50分の開場まで1階の土産物店でお買い物。入場がアナウンスされると各チームは指定のテーブル席に続々と着席し開宴を待ちます。定刻の6時に前夜祭が開始され、レース主催者の山田HYC会長挨拶のあと来賓の皆様の紹介がありました。壱岐市企画振興部長、壱岐市議会議長、長崎県議会議員、長崎県壱岐振興局管理部長、壱岐市観光連盟会長、壱岐市観光課長、壱岐市観光連盟事務局長、壱岐交通社長、九州郵船壱岐支店長、あまごころ本舗専務が紹介され壱岐市長の代理で出席された壱岐市本田企画振興部長の歓迎挨拶があり、黒住レース委員長の競技上の注意の後、山本長崎県議会議員の発声で乾杯!乾杯のお酒はもちろん「壱岐焼酎」。麦焼酎発祥の地として「壱岐焼酎乾杯条例」を制定しているとのことで、特別に用意されたアルコール度数が低い乾杯用の麦焼酎が用意されました。各テーブルには刺身やサザエなど海の幸が盛られ、壱岐市から特別に提供いただいた100g1,000円以上はする「壱岐牛25㎏」や7つの蔵元から提供いただいた壱岐焼酎で歓談し、アトラクションとして地元フラダンスチームのフラダンスショーが披露され、アンコールの大合唱が出るほど会場も大いに盛り上がりました。続いて参加チームの紹介があり、明日のレースの健闘に声援を送りました。焼酎も進み各チームとの交流も続く中、明日は朝が早いことから20時過ぎには壱岐市観光連盟長嶋会長の中締めの挨拶で楽しいひと時もお開きの時間となりました。お店の土産品コーナーは特別に閉店時間を延長していただいたので、前夜祭参加の皆さんは壱岐の特産品やヨットレース記念焼酎を沢山買い求めていました。

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翌16日は朝6時半頃から焼酎を飲み過ぎて二日酔い気味のクルーも交えて続々と港に集合して、弁当や氷を積み込んでセールをセットしていました。岸壁には壱岐市企画振興部長さんや観光連盟会長さんが見送りに来ていただき、各艇出港準備を整えて7時過ぎにはスタート海面に向かった。午前8時にスタート信号が発せられると34マイル彼方の博多湾を目指して熱い戦いが始まった。北北東の風15~18ノットとレースには絶好のレースコンディション。ただし向かい風になるため、博多湾口まではポートタックの1本コースで、スピードのある大型艇有利な条件でした。壱岐周辺は波高2mほどでしたが、次第に波も高くなり、中盤戦からは3mの波と25ノットのブローで結構スプレーを浴びての我慢の走りとなりました。博多湾口からフィニッシュラインのコースは50°ほどベアしますが、湾内の風は若干東寄りとなり風速もコンスタントに25ノット前後でジェネカー、スピンを上げるのは厳しい状況でした。優勝を狙っている数艇は果敢にもジェネカーを上げていましたが、直ぐに下ろしたり必死でブローチングを押さえたりと大変だったようです。

そんな荒海を一気に駆け抜けた50フィートの“K.CONTESSA 風と虹”が11:30:06に堂々のファーストホーム。実に所要時間3時間30分と快走でした。2着が新西宮から遠征してきた36フィートの“侍翔洋”が11:50:05にフィニッシュ。3着が40フィートの“MALOLO”が12:03:17にフィニッシュ。その後も次々にフィニッシュし、14:36:20に25フィートでシングルハンドの“Sophie”が最後にフィニッシュして無事にレースが終了しました。なお、参加艇中3艇が艇体、セールのトラブルで残念ながら途中リタイヤしました。

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 小戸の福岡市ヨットハーバーでの表彰式には壱岐市の眞鍋副市長をお迎えし、初の「壱岐市長杯」の贈呈を行っていただきました。レースのタイムリミットが17時だったことから当初18時からの予定でしたが、最終艇フィニッシュが早かったため16時30分から行いました。優勝、そして初の壱岐市長杯を手にしたのは小戸をベースに活動する“MALOLO”チームでした。眞鍋副市長から手渡された壱岐市長杯を手にした佐藤オーナーは満面の笑顔でした。副賞として壱岐の海産物の詰合せ、ヨットレース記念焼酎、1位のクリスタルトロフィー、新西宮から参加した“ディッグ フィールド ミリオン”堀田オーナーから提供された高級キッチンマットも受け取り喜びもひとしおのようでした。2位はファーストホームの“K.CONTESSA 風と虹”、3位は新西宮から参加の“侍翔洋”で、それぞれクリスタルトロフィーと海産物の詰合せ、記念焼酎を、4位“Bambino”、5位“Bebe”、6位“Happy Holiday”は海産物の詰合せを送られました。他にも当日賞(16位)、飛び賞(10位、20位)、ブービー賞、敢闘賞などが贈られ、沖縄のセーラーから提供されたオリオンビールの詰合せが、ベストドレッサー賞として“Altair”に贈られました。

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                       [ 優勝・壱岐市長杯 “MALOLO” ]

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今回も準備の段階から本番まで、壱岐市ならびに壱岐市観光連盟様には大変お世話になりました。無事にレースがスタートできましたのも皆様のご尽力の賜物と深く感謝申し上げます。運営メンバーはもとよりレース参加者も心より楽しめました。隣の漁港の岸壁が一時的に利用できるようでしたらもっと参加艇を増やすことも可能かと思いますが、今後の検討課題とさせていただきます。

壱岐は天然温泉の宿もあり、観光名所探訪や壱岐焼酎の蔵元見学、夏の海水浴と、楽しみ満載の島です。ヨットレース以外でもクルージングでまた訪れてみたいですね。また博多港からジェットフォイルで1時間ほどのとても近い島ですので、家族旅行とかでもぜひ訪ねてみましょう。


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