本部船運営記。2021年第10レースは“METAXA-Ⅴ”さんでした。
11月21日(日)は2021年HYCシリーズレースの最終戦でした。今年は新型コロナウィルス緊急事態宣言の発出や強風のため満足にレースが開催できませんでした。緊急事態宣言が解除になった先月の第9レースは3か月ぶりのレース再開でしたが、スタート前に30~40ノットの強風が吹き荒れたため安全のため中止。最終第10レースは実に4か月ぶりのレースとなりました。当日の気象は曇りで夜には雨。南東から南南東の風で風速は4~6ノットで大潮というレースにはあまりいいコンディションではありませんでした。今日の本部船は“METAXA-Ⅴ”チーム。8時半にはチームのメンバーがハーバーに集合し、受付準備とマークブイや信号旗などの運営用品を船に積み込んでエントリーを待ちました。今日のコースをレース委員長と相談して博多湾口の机島南側のクタベ瀬ブイを時計回りコース(距離12マイル)に決定。10時の受付終了までに17艇がエントリー。
10時過ぎには参加艇と本部船が次々にハーバーを出港。小戸ハーバー沖合には冬場の風物である「海苔網」が設置されているので、そこを迂回して北側海面に進行。風は4ノット前後と弱く、大潮なので潮の流れに注意しながらセールを上げて4か月ぶりのセーリングを楽しみます。ここしばらくは福岡県の新型コロナ感染者数は一桁、なかでも福岡市では「0」の日が続いているので、皆さんうっとおしいマスクは外しているようです。本部船がスタートラインを設置したので、スタートに備えて各艇ウォーミングアップ開始。弱い風ながらフルセールでセーリングできる喜びを満喫しています。
10時55分に5分前の予告信号、56分に4分前の準備信号が発せられ、スタートに向けて緊張感が高まってきます。11時ちょうどにスタート信号が発せられ、リコール艇なしできれいにスタートが切られました。右横からの風なので、スタートと同時に次々とジェネカー、スピンが上がっていきます。プロパーコースより若干左側(西海面)のほうが少しばかりいい風があるようですが、右側(東海面)からの吹き出しを期待して右寄りに伸ばしていく艇もあります。しばらく走ると西海面を走る艇がじわじわと前に出ていきます。今日は西海面が正解か!と思っていると、今度は中央を走っている艇団がじわじわと前に出ていきます。しかしながらこちらも風が1ノットに落ちてしまいました。今度は東海面を走る艇団がセールに一杯風を受けて猛然と走り出しました。志賀島方面の海面が少し黒くなっているようでブローラインがあるようです。東海面が正解だったか、しまった!ところがこのブローラインもそう長くは続かず、ひたすら我慢の走りが続きます。回航ポイントのクタベ瀬ブイを1番に回ったのは”May be”、2番手は”Le Grand Bleu 9”でした。
ブイを回ってフィニッシュまでのプロパーコースを走るか、風を期待して東海面を走るか、はたまた西海面を走るかで各艇迷ったようですが、結果として若干西寄りのコースを走った艇が正解でした。
14:21:23に32フィートの快速艇“May be”が堂々のファーストホーム。14:24:53に34フィートの“Le Grand Bleu 9”が2着、14:27:07に40フィートの“Second Love”が3着、その後も後続艇が次々とフィニッシュし、15:07:51に“SIESTA”が最後にフィニッシュラインを通過して無事にレースを終了しました。途中で風が落ちて1ノットになったり、西海面にパフが入ったかと思うとしばらくすると東海面にパフが入るなど気まぐれな風に翻弄され、終盤には少し雨も降り出しましたが何とか今年の最終レースが無事に終わりました。残念ながら風と潮流に翻弄された5艇が途中リタイヤしました。来年は新型コロナも沈静化し、年間10レースが開催できるように祈っています。本部船を運営していただいた“METAXA Ⅴ”チームの皆さん、本当にお疲れ様でした。