本部船運営記。2016年第3レースは“Freestyle”さんでした。

2016年5月25日

5月15日(日)は2016年HYCシリーズレースの第3戦でした。先月の第2レースは熊本地震を考慮して中止したため2か月ぶりのレースでした。結果的には4月17日のレース当日は30ノットオーバーの強風が吹き荒れ中止は正解でした。

DSC03429今日は「湾外コース」の予定で、今年から湾外コースはスタート時間を1時間早めて午前10時スタートに変更しました(7月の第5レース・壱岐レースは別途)。このため受付時間も8:30~9:00と早めたので、8時過ぎには本部船運営担当の昨年の年間チャンピオン“Freestyle”メンバーが集合し、レース参加艇のメンバーもぼつぼつハーバーに参集してきます。今日の気象予報では、南寄りの風で風速は4~10ノットとロングコースには弱い風ですが、吉川レース委員長とも相談のうえ湾外の「相島時計回り回航」に決定しました。直線距離で約27マイルなので風が弱いままだとタイムリミット(17:00)が気になるところで、コース短縮も考えておかないとなりません。

DSC03428DSC034309:00の受付終了で20艇の会員艇が参加です。9:00過ぎには本部船が出港し、通常位置より1マイルほど沖合にスタートラインを設置します。風は予報に反して北寄りの風となり風速はは5ノット前後。10:00のスタートでは1艇のリコールがありましたが、全艇「シタエ曽根」に向けて好スタート。全艇がタイムリミット内にフィニッシュできますように。

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レースの進行は、安定した風の吹き出しはなく、全般的に弱くて無風帯もあり各艇苦労したようですが、根気よく僅かな風を拾ってロングレースを楽しんでいました。途中で本部船から「コース短縮」の連絡があり、博多湾の入口の志賀島-玄界島を結ぶライン上にある「シタエ曽根」ブイと本部船の間がフィニッシュラインになりました。5マイルほど距離が短縮になったので何とかタイムリミットはクリアできそうです。DSC03443博多湾内では博多-長崎県・壱岐を結ぶ高速船“ヴィーナス”や韓国・釜山を結ぶ高速船“ビートル”、“コビー”が横を走り賑やかでした。相島では、おそらく津屋崎をホームポートとするヨットがレースをしていたのでしょうか、海上で行き会いました。ファーストホーム争いは最大艇の“May be”とプロセーラー高木裕氏が舵を握る“Humming bird Ⅴ”の接戦となり、“May be”が14:48:45に51秒差で1着となりました。“Little Wing”が16:26:30に16着でフィニッシュしましたが、残念ながら4艇がリタイヤもしくは17:00のタイムリミットに掛かってフィニッシュできませんでした。コース短縮でフルスロットルで「シタエ曽根」に向かい、9時間近く海上で本部船を運営していただいた“Freestyle”の皆さん、本当にお疲れ様でした。

[以下は本部船“Freestyle”のKオーナーのレポートです]

今日のレースはロングの予定。8:30受付開始のため8:00に集合。風が少し弱いなと感じながら受付会場に行き、吉川レース委員長を交えてコースを検討し、コースは「相島時計回り」に決定、長い一日になることを覚悟しました。30分間の受付を終え参加20艇、マークやエアーホーンなどの運営備品を詰め込み、9時すぎにハーバーを出航しました。風を考えるとコースを少しでも短くしたいと思い、いつもより沖合の毘沙門沖にマークを落とし、ラインを作りスタート時間を待ちます。5分前、4分前、1分前と所定の合図を行い、無事スタートかと思った時、ライン沿いを流していた一艇がフラフラとラインを切ってレース海面へ出て行きます。S艇です。そして、スタートの10:00。旗とハンドマイクでリコールを伝えるとS艇からは「えっ〜」とやや怒ったような声。間違いなく出ていましたよ。それも一艇身。S艇はすぐに戻ってリコール解消、急に降り出した雨の中、ウエイポイントのシタエ曽根へ向かって全艇スタートしていきました。初めてヨットレースを見る知人が乗っていたため、少し艇団に着いて見物の予定でしたが、雨が激しくなったためやむなく中止し、能古島へブランチに向かいます。

昼食後、風が上がるらしいとの情報を信じて早めに戻ろうと、13時前には能古島を離れゴールへ向かいます。すると、先頭を走っているであろうレース委員長が舵を握る“May be”より着信、風がなく漂っているとのこと。少し様子を見ながらコース短縮を検討しようとのことになりました。数艇から「風が上がった」、「また落ちた」、「いいスピードで走っている」など様々な情報が入ります。風が落ちた状況から、14時前にシタエ曽根をフィニッシュとするコース短縮を決断、マークを回収し、移動開始しました。移動中は手分けして参加各艇へ電話連絡します。レース中で手が外せないのか殆どが繋がりません。連絡が取れた艇には「コース短縮」を伝え、こちらもシタエ曽根の黄色いブイを目指します。 

シタエ曽根に近づくと先頭のMay beHumming birdが競り合って向かってくるのが見えます。「こりゃ、まずい、間に合わないかも」そんな心配が口々から出ます。風よ落ちろと願いながらフルスロットルで向かいます。しかし、結果はMay beにタッチの差で遅れてタイム取れず、May beにはタイムの自己申告をお願いしました。2着のHumming birdには何とか間に合い、ブイと志賀島の山の一点を見通し線に想定し計測開始です。ここは水深20m以上でアンカーも打てません。ひたすらライン上の位置を維持します。3番手以降の艇はロングにしては団子状態、接近戦で楽しそうにフィニッシュラインを通過していきます。こちらは前後進したり、ニュートラルで流したりと忙しいゴール待機の2時間でした。17時のタイムリミットまでゴールで待機し、小戸に帰港したときは18時を回っていました。

結果的には電話連絡つかずのリタイヤ申告が2艇、無念のタイムアップが2艇となってしまいました。コース短縮の信号旗「S旗」の存在も後で思い出しました。ルール(信号旗)をもっと理解すること、レース中は携帯電話を繋がる状態にしておくことの重要性を感じた一日でもありました。

メンバー5名で勤めた本部艇の一日は何とか無事終了。ハーバーを出て解散したのは19時を少し回った頃でした。レース参加艇、本部船運営メンバー、皆さん本当にお疲れ様でした。


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