注意喚起!航行安全情報2
先月、1月4日(日)に会員艇“I号”が志賀島神社に初詣のため、午前10時過ぎにホームポートの福岡市ヨットハーバーを乗員3名で志賀島に向けて出港しました。この季節にしては珍しく快晴で風もなかったため機走(5ノットくらい)で、スキッパーもクルーも正月の話題など会話に花が咲き、のんびり気分のクルージングでした。よく走る航路であったためGPSもONにせず能古島を左に見て順調に走っていました。左前方に「亀瀬」の黄色のポールが見えていましたが特段心配もせずに横を通り過ぎようとしていたところ、突然ドーンという音とともに船体に衝撃が走り、船が止まってしまいました。
すぐに乗員の負傷の確認と浸水が発生していないかをチェックしましたが、幸いにも全員怪我もなく浸水もしていませんでした。改めて周りの海を見ると岩だらけで、もっと島から離すべきだったとスキッパーとして後悔しきりです。ギアを前・後進に入れて脱出を図りましたがガリガリいうばかりで動きません。仕方なくハーバー事務所に連絡してレスキュー艇に出動してもらい、何とか脱出することができました。現在“I号”は福岡市ヨットハーバーの修理ヤードに上架中で、キール、ラダーの損傷はもとより、浸水はしていませんでしたが内部フレームもダメージを受けており、修理には3か月近くかかるそうです。
「座礁位置図」を見ると分かるように、能古島東側の「亀瀬」周囲は水深が浅く、目印のポールの南側50m、東側80m以内は水深2m以下です。また亀瀬の岸側は水深1m以下の浅瀬です。当日はたまたま大潮の満潮時刻を過ぎたあたりだったので直ぐ近くまで寄れたのでしょうが、通常はヨットではそこまで近付くことはありません。日中であればポールを目安に100mは離し、特に夜間は灯りが点いていないので最新の注意を払いましょう。日頃から慣れ親しんだ博多湾ですが結構あちこちに浅瀬や暗礁が点在していますので、海図を確認して安全なクルージングやレースに心掛けましょう。