「2016年小戸カップヨットレース」盛大に開催
今年で39回目となる伝統の「小戸カップ」。昨年からディンギー部門とクルーザー部門を分離して、クルーザー部門は「タモリカップ」のような大きなヨットイベントに盛り上げていこうとしています。毎年9月の第1日曜日開催として今年は9月4日(日)を予定していましたが、台風12号接近のため中止・延期となり9月11日(日)に開催されました。
大きなヨットから小さなヨットまで、ギンギンのレース艇からクルージング艇、スピン・ジェネカー無しのヨットまで、みんなが楽しんでなるべく多くのヨットに入賞の機会があるようにA~Dの4クラスに分け、各クラス1位~5位まで、合計で20艇に賞を準備しています。また参加艇間の交流を図るためにレース後にディンギーヤードで「BBQパーティー&表彰式」も予定。さらに福岡市ヨットハーバーでは遠来艇の参加を促進するために、大会当日の前後2週間をゲストバースの係留代を無料にするサービスを実施。
県外からの参加も含めて47艇が参加し、9:30からクラブハウス2階で開会式、艇長会議を行い、11:00に北北西6~8ノットの風の中、リコール艇なしのきれいなスタートでレースが始まりました。コースは小戸沖をスタート・フィニッシュとして、能古島北西端の象瀬沖の第1マークを反時計で回わり、博多湾西岸の海づり公園沖の第2マークを反時計で回る8マイル。TNCテレビ西日本の取材クルーも海上で撮影を行い、夕方のテレビで放映がありました。これは、11月に開催されるアメリカズカップ・ワールドシリーズ福岡大会に向けて、ヨットレースに対する市民の関心を高めていこうという局の意向のようです。
波もほとんどなく、中盤からは8~10ノットの安定した風が吹き、初秋の博多湾で快適なセーリングが楽しめました。ファーストホームは12:11:01に“May be”が、最終フィニッシュは“Festa”の13:18:40と全体で2時間18分という早いレース展開でした。
午後3時からディンギーヤードで「BBQパーティー&表彰式」が行われ約200人が参加しました。こちらはリコール続出で、お腹を空かせた各艇のクルーたちが2時半頃からお肉を焼きだし、あちこちのテーブルからお肉を焼く煙が立ち上り、美味しい香りがハーバー内に漂ってきました。主催者が用意したのはお肉と野菜、焼きそば麺、ノンアルコールビール、ソフトドリンクでしたが、各艇は自前でアルコール飲料や追加のお肉を持ち込み、レース後のひと時を存分に楽しんでいました。各テーブルには、焼酎「魔王」や日本酒「獺祭」、シャンパン、ワインが豊富に揃い、車の運転がないメンバーにとっては最高のパーティーとなりました。
一段落したところでレースの表彰式が始まり、福岡県セーリング連盟秋山会長の挨拶のあと、先ずはスピン・ジェネカー無しのDクラスから。修正5位から順に1位まで、Cクラス、Bクラス、Aクラスと続き、1位艇にはトロフィーと副賞、その他の入賞艇にも豪華な副賞が贈られ、全体の総合優勝艇には福岡市長杯が授与されました。
各クラスの優勝は、Aクラス“Humming bird Ⅴ”、Bクラス“クラリスフォルテ”、Cクラス”MALOLO PEPE”、Dクラス“Hokulea”、そして総合優勝(福岡市長杯)は“Humming bird Ⅴ”でした。“クラリスフォルテ”は雑誌・舵10月号で紹介された、夫婦二人で全国の「地レース」行脚を続けている中野夫妻がダブルハンドで参加されたものです。たまたま小戸に寄港中でレースに参加されました。
途中でGYC玄海ヨットクラブから、昭和48年(1973年)の第1回大会からほぼ隔年で開催してきた「日韓親善アリランレース」を、来年の第23回大会をもってファイナルにするとの報告がありました。「アリランレース」は40年以上続いた日本で最も古い歴史を誇る伝統の国際ヨットレースで、ここから多くの外洋セーラーが生まれてきただけにちょっと寂しい思いもしますが、これも時代の流れなのでしょうか。また、10月9日(日)にGYC、FYC、HYCの3ヨットクラブ共催で開催する「大島ヨットレース」の案内があり、各クラブ代表者から参加の呼び掛けがありました。
BBQパーティーの方は、“Little Wing”Oオーナー自慢のギターと喉で大いに賑わい、最後はみんなで「能古島の片思い」の大合唱でテンションマックス。今年の小戸カップも事故もなく大盛会のうちに無事に終了しました。レース主催者は、小戸カップをタモリカップに匹敵するようなビッグイベントに育てていきたいとのことで、来年は60艇、70艇と参加艇が増えることを期待しています。九州一、いや西日本一のお祭りヨットレースにしましょう。毎年9月の第1日曜日は博多湾に集結!!大会事務局の皆さん、本当にありがとうございました。そしてお疲れ様でした。