2014年5月18日(日)の第3レースの本部艇は“MALOLO”さんに担当していただきました。第3レースは「湾外コース」の予定でしたが朝から風が弱く(2~4ノット)、予報でも正午頃にMaxで10ノット前後で「湾内コース」に変更するか迷いましたが、レース委員長、会長相談のうえ博多湾口から西北西4マイルに位置する「長間礁灯標」を反時計で回ってくる20マイルのコースに決定しました。スタート時の風速は3ノットで、もしかすると17:00のタイムリミットにかかる艇も出てくるかなと心配していましたが、12:30頃から北東~北北東のいい風が吹き出し、ブローで13ノットオーバーと快晴の青空のもと絶好のコンディションとなりました。ただし、博多湾を出るまでのコース取りで運、不運がはっきり分かれ、東海面の玄界島に寄せた艇は無風域に入り込んで無念のリタイヤとなり、西海面の西浦半島の岸寄りをタック、タックで攻めた艇が前に出ました。トップ艇が14:22:27フィニッシュ、最終艇がタイムリミット15分前の16:45:39フィニッシュと大きな差が出ました。レース艇も待ちくたびれた本部艇も、たっぷりと楽しんだ一日でした。
[以下は本部艇“MALOLO”さんからのレポートです]
平成26年5月18日のHYC第3戦は今シーズン初の湾外レースという事もあり、本部艇を務めるMALOLOも緊張に満ちた朝を迎えたというよりも・・・初めての本部艇という事で、オーナー・クルーは「当日の朝ってなにするの?」状態でレース当日をポンツーンで迎えた。いつもの様に「なんとかなるさ」と高をくくり、更には第1・2戦のレース本部艇運営記を 読んで予習してくる殊勝なクルーなど勿論の事ながらいるはずも無く・・・
そんな中、「そう言えば、レース受付を2階のオーナーズサロンでせんといかんやろ」のオーナーの言葉にクルーが走って2階に向かった。残ったクルーは相変わらずお気楽に空・海を眺め、「いいとこ3ノットやん。この風なら短縮やね」と、船上でのんびり過していた。
9時を迎えて、周囲のレース参加艇の準備が着々と進み始めると、のんびりクルーでも否応無く焦りが出始め、「ところでリミットマークやら、フラッグは準備できたか?」のオーナーの声に、ようやく重い腰を上げて動く始末。更には「どこにあるんですかね?」とのたまうクルーに、オーナーの「レース委員長のHH艇に行って聞いて来い」の声に、此処に来て急速にレース準備が動き出しました。あっち行きこっち行きを繰り返し、ようやくクラブ旗・フラッグ・ホーン等の準備が整い、16艇の受付を完了させたクルーを乗せて慌ててスタートラインの設置に向かうMALOLOでありました。
海面に出ても、朝のハーバー内と風速・風向に大きな変化は見られず、「今日のレース、コース短縮必至、時間潰しの海釣り準備完了」とスタートの準備を完了させて11時を迎えた。スタートは南東3ノットの風を受け、オールフェアでの一発スタート。各艇が、肌には心地良い、レースには厳しい風を探し、10マイル先の「長間礁灯標」を目指してスタートした。
全艇の無事ゴールを祈り、見送った後は「それじゃあ本日の本題?“釣船MALOLO丸”出発!」の号令の下、「キスの天麩羅やね」とスターンから釣り糸を垂らすのでありました。実は以前レーススタート前に海に来たのに、何故か岩登りをした経験を持ち(?)、水深が浅くなると、「こりゃいかん」とちょっと動いて、また水深が浅くなると「こりゃやばい」と小刻みな不審な動きを繰り返すのでありました。
しばらくそんな事を繰り返し、小キス釣りをクルーが楽しんでいると、「ちょいとそこの怪しいヨット」と海保の巡視艇ではなく、水上警察(福岡県警博多臨港警察署のこと)のパトロール艇に臨検される始末。でも海技免状や船検証などきちんと揃っており事なきを得ました。
そうこうして魚群を求めて移動している内に海況に変化が、風は北に振れ、風速は13ノットと大きく様変わり、それまでは「短縮でもフィニッシュ15:30くらいじゃないの」という甘い予測でいたものの、ふと玄界島方向に目をやると、「あのジェネカーってHB艇じゃない・・・・」、「風上がって、一気に帰ってきてるんやない・・・」と慌てて、釣船MALOLO丸から、レース本部艇MALOLOへと変身するのでありました。
その後続々と参加艇が無事にフィニッシュし、海況の急激な変化はあったが、参加艇・クルーの皆さん怪我も無く、無事終了となりました。皆さんお疲れ様でした。
福岡在住で日本を代表するセーラー『高木 裕』氏による「セーリング講習会」を下記により開催します。テーマは「ワンオーバーナイトを想定したヨットの操船について(仮)」ということで、ロングレース、ナイトレースでのコース引き、セールトリム、ワッチ、安全対策など、レース派だけでなくブルーウォーター派の皆様にも大変役立つ内容を予定しています。
博多ヨットクラブの会員(オーナー)やクルーをはじめ、クラブ会員外の皆様の参加もOKとしますので、この機会にぜひともご参加いただき、ご自身のセーリングスキルのアップを目指してください。受講申込み方法等は後日ご案内しますので、関心のある方は今から予定をキープしておいてください。
1.日 時 平成26年8月2日(土)午後1時30分~午後4時(午後1時から受付)
※当日は午後7時スタートでHYC第6戦・イブニングレースがあります。
2.場 所 福岡市ヨットハーバー クラブハウス2階会議室 (福岡市西区小戸3-58-1)
3.参加費 500円
【講師:高木 裕 氏の略歴】
大学時代にインカレ優勝、インカレ470級個人優勝、学生で初の470級全日本チャンピオン。国体優勝、アジア選手権優勝、ワールド7位。ロサンジェルス・オリンピック470級日本代表11位。キールボートではジャパンカップ、鳥羽-パールレースなどで優勝多数。国際レースではハワイ・ケンウッドカップ、豪・シドニー-ホバートレース、米・トランスパックレースなどに数多く出場し優秀な成績を残す。先の沖縄-東海レースではレーサー部門で優勝するなど日本を代表するセーラー。
海を愛するセーラーの皆さんお待ちかねの「タモリカップ福岡2014」のレース公示が発表されました。いよいよ6月1日からエントリー受付開始です。昨年は初めての大会開催で日曜日一日だけの日程でしたが、2年目の今年はタモリさんの気合の入れ方も半端でなく、土・日曜日の二日間の日程でたっぷりと楽しんでいただける内容にパワーアップしています。詳しくはレース公示の日程をご覧ください。土曜日の前夜祭・大バーベキュー大会は午後7時スタートで、博多湾に沈む夕日を見ながら日本を代表するサルサバンド『オルケスタ・デ・ラ・ルス』ほかゲストのライブショーで大いに盛り上がることでしょう。昨年は600人規模でしたが今年は1,000人規模に拡大予定です。今年の夏は九州・福岡の博多湾に集結して「海を愛するタモリの日本一楽しいヨットレース」を満喫しましょう! レース公示や参加申込書などは下記の公式ホームページをご覧ください。
昨日(5月20日)、今年の「タモリカップ・ヨットレース」開催に向けてタモリさんが福岡市ヨットハーバーを訪れました。昨年の大会に尽力された地元福岡のヨット関係者と再会し、「今年もやるよ、よろしく。」と今年の夏は大いに盛り上げようと気炎を吐いたようです。今年の日程は8月9日(土)前夜祭「大バーベキュー大会」、8月10日(日)海上パレード、ヨットレース、表彰式で行いたいとの意向のようです。特に大会の一番の趣旨である「大バーベキュー大会」を今年は前日の土曜日に「前夜祭」という形で行い、さらに東京から日本を代表するサルサバンド“オルケスタ・デ・ラ・ルス”を連れてきて昨年以上に盛り上げようとのことです。
今週末に大会開催に向けての実行委員会の会合が持たれるようですので、来週あたりには大会の詳細が発表されることでしょう。参加を予定されている皆様、いましばらくお待ちを。
2014年4月20日(日)の第2レースの本部艇は昨年総合優勝の“翔風”さんに担当していただきました。コースは博多湾口の「クタベ瀬」の黄色ブイを反時計で回ってくる13マイルほどの距離です。スタート時は5ノット前後の北東の風でしたが途中から風速が上がり12~15ノット、Maxで19ノットと絶好のコンディションとなりました。大型艇は2時間くらいでフィニッシュするだろうという予想でしたが、なんとトップフィニッシュは1時間半、最終艇でも2時間半あまりとハイペースのレース展開でした。洋上でアンカリングしている本部艇にとってはありがたいコンディションでした。
[以下は本部艇“翔風”さんからのレポートです]
朝8時半にハーバー2階のクルーザーオーナーズラウンジにメンバー4人集合し、先ずは本部艇運営マニュアルに沿って業務役割分担。その後レース委員長と協議してコース、タイムリミットを決定。二人はハーバー2階で9時より受付開始。二人は倉庫とロツカーからアウターマーク・ブイ、各種フラッグ、ホーン等のレース備品を取り出して艇に積み込み作業。2回ほどハーバー事務所の放送設備でレース参加案内をして10時に受付を締め切り、今日の参加艇は15艇とやや少なめでした。ハーバー事務所に「行事開催届」を提出後スタートライン設置のためにすぐに出港。この時期はハーバー沖の海苔網もなくなっており(11月~3月設置)、練習中のディンギー達の邪魔にならない範囲で準備時間短縮のためなるべくハーバーに近いエリアにスタートラインの設定ができるよう艇を走らせる。これには、実はメンバーの一人が午後からの法事のためスタート業務が終了後にすぐに帰宅せねばならないという事情もありました。
東寄りの風だったので、スタートライン設定に際しては15艇参加ということを考慮して約200m程度の長さとし、併せて本部艇寄りとアウターマーク寄りとで極端な有利、不利がでないよう、目標方向に対して本部艇を岸側に移動して右下がりのラインとした。運営マニュアルに従いフラッグとフォグホーンでレース艇にカウントダウンを知らせ、東~北東の風4~5ノットの中、11時ジャストに全艇スターボードタックでスタート。風が弱かったこともあり皆さん比較的おとなしくスタートラインを切ってくれたので、リコール艇もなく楽勝でした。全艇スタートを確認してアンカーを上げてメンバー一人をハーバーまで送り届け、すぐにアウターマーク近くに戻ってフィニッシュラインを設置する。フィニッシュを取りやすくするためラインは「クタベ瀬」方向に直角になるよう、また長さも100mほどに短く設置。
スタート後しばらくすると風速が10~15ノットくらいに上がってきた。過去のレースの実績からトップ艇は概ね2時間程度でフィニッシュしているので、13時前後かなと予想していたら、何と12時31分59秒に「スルスミ」がトップ艇としてフィニッシュして最終艇が13時38分09秒でした。当初は風が弱くて長期戦を覚悟してましたが思いのほか早くレースが終了できほっとしたところです。
事前に本部艇運営マニュアルに沿って役割分担を決め全員でスタート運営のシュミレーションをやったので、約一年ぶりの本部艇でしたがミスもなく比較的スムースに行うことができました。(了)
2014年5月18日(日) 11:00スタート
受付はハーバー事務所2階オーナーズラウンジにて9:00~10:00まで
参加費:会員艇¥5,000/艇、非会員艇¥7,000/艇
コース:湾外(当日決定します)
本部艇:MALOLO
参加艇は船尾にHYCフラッグを掲揚すること。
レース結果は、HYC公式ホームページ(このサイト)に発表します。
HYCレース委員長
会員艇“ZEPHYRUS”さんより投稿がありましたのでご紹介します。 ※会員さんからの投稿をお待ちしています。
今年のGWはメンバーそれぞれが家族サービス等で都合が付かなかったので海に出られませんでした。そこでGW最終日の6日にゲストも交えて湾内クルージングを楽しみ、博多湾口に浮かぶ「玄界島(周囲4.4㎞、人口500人ほど)」で玄界灘の地物の魚で美味しい昼食を堪能しました。メンバーは大人10名、子供2名の計12名。9時半に集合してみんなで艤装に取り掛かり10時にハーバーを出港しました。天気は晴れ、風は北北西で15ノット前後、波も1.5mほどでフルメインに№2ジェノアで艇速は5.5ノット前後。クルージングには最高のコンディションでした。博多湾をタック、タックで心ゆくまでセーリングを楽しみちょうどお昼の12時に玄界島に入港。港のもっとも西側の岸壁(テトラポットの横)が「福玄丸」さんの専用岸壁になっていますので気兼ねなく横付けしました。初めて訪ねるお店ですので場所が分からずお店に電話すると漁師の兄、友芳さんが車で岸壁まで迎えに来てくれて、坂道をみんなで散策しながらお店まで行きました(徒歩7~8分)。島の様相は地震前と大きく変わり、今風の洒落た戸建住戸とこれまでなかった集合住宅(県営、市営)が整然と並んでいる光景はここが「島」だということを忘れます。
玄界島は2005年(平成17年)3月20日の「福岡県西方沖地震」で島のほとんどが大きな被害を受けましたが全島一丸となって復興に取り組み奇跡の復興を成し遂げました。しかしながら震災の影響で島周辺の漁場で漁獲高が落ち廃業する漁師さんも相次ぎ、震災前と比べると200人ほどの島民が島の外に移りました。このような中で島の若い兄弟が奮起して、兄(27歳)が取った魚を調理師免許を持つ弟、構太さん(23歳)が捌いて、お姉さんと間違う若いお母さんと3人で切り盛りする島で唯一の食事の店「福玄丸」を昨年の夏に開店しました。
ほぼ最上段の住宅群の中に、天神西通りや大名にあってもおかしくない黒い外観のおしゃれなお店「福玄丸」がありました。階段を上がって玄関を入ると突き当りにカウンター席があり、左奥に掘りごたつ式の部屋が2部屋あります。それぞれ10人定員で間の仕切り戸を外すと20名まで収容可能な広い部屋になります。
事前予約制で料理は2,500円からのコース料理となりますが今日は2,500円の料理をお願いしました。旬の魚料理で、初めの小鉢は地タコの酢味噌和え、ひじきの煮物、次にメインの刺身で今朝取ったばかりのタイ、スズキ、カンパチが豪華に盛られています。またヤリイカの姿造りも最高に美味しかったです。焼き物の太刀魚のから揚げ、アジの煮付けと続き、刺身の後作りとしてタイのお頭の塩焼き、イカの天ぷら、最後にご飯とみそ汁も出ましたが、「もうお腹一杯、これ以上入りません。」というくらいボリューム満点で、魚がこんなに美味しかったのかと認識を新たにしました。今日はメンバーの大半がマイカーを自粛してお酒を飲める体制で臨んだので、生ビール、日本酒、焼酎とアルコールも進みます。2時間半ほどの滞在でしたがGWの最後を飾るに相応しい充実の一日でした。
漁師の友芳さんは若い世代の代表として「島づくり推進協議会」の会長に就任して、自然豊かな島の魅力の発掘と発信のため仲間とともに奮闘しています。魚の干物やひじきの販売、定置網体験などのイベントなども企画しています。ヨットなどのプレジャーボートだけでなくベイサイドプレイス博多から市営渡船(35分)も出ていますのでぜひ一度訪ねてみてはいかがですか。家族の記念日や遠来のお客さんのおもてなしなどきっと喜ばれると思います。最初はヨットで島を訪れるお客さんがポツリポツリという状況でしたが、常連から口コミで評判が伝わり今では月20組ほどの予約があるそうです。
福玄丸(予約制 ℡ 092-809-2020)
九州ナンバーワンを決めようと福岡と長崎、鹿児島のヨット愛好者が中心となり2010年から始まった「九州カップヨットレース」。開催は2年おきで初年度は長崎サンセットマリーナをベースに長崎の海で戦いが繰り広げられ、2012年は小戸の福岡市ヨットハーバーをベースに博多の海で、そして2014年の今年は5月3日~5月5日に長崎で開催されました。3日間で上・下のソーセージコースを6本、36マイルの島周りのオフショアコース1本の計7レースを行いました。IRCクラスには我こそはと腕に自慢の福岡、長崎、鹿児島のヨットが12艇参加。福岡からは7艇(すべてHYC会員艇)が参加して熱い戦いを繰り広げました。
初日の3日と3日目の5日は強風下のソーセージコース、2日目の4日は微風のオフショアコース(風が弱くてコース短縮)で全7レースが成立し、総合では博多ヨットクラブレースでも活躍する“Bambino”が栄冠を手にしました。また2位“Humming birdⅤ”、3位“MALOLO”、4位“WIND WARDⅤ”とHYC会員艇が上位を独占しました。博多のヨットはレベルが高い!ちなみに“Second Love”は8位、“METAXA Ⅴ”は9位、“MARINE DANCER”は10位でした。
優勝艇“Bambino”のNオーナーからコメントをいただきましたので以下に紹介します。
[“Bambino” Nオーナーコメント] 九州カップでは クルー 一同みんな良く頑張ってくれました。初日 1レース目はなんとリコールでOCS。みんなガックリでしたが気を取り直して強風下の2レース目、3レース目をしっかり頑張ってくれました。3日目のインショア3レースが無いと終わったぜと、そんな 滑り出しでした。今回の九州カップは、強風、微風、順風とウィンドコンディションは様々で レースをしっかり楽しめました。強風下のレースが多かったのですが艇が良く走りました。みんな本当に良く頑張ってくれました。J92/sに乗り換えて1年ですがやっと艇のポテンシャルを発揮できるようになりました。3日間レースをしっかり楽しめて良かったです。運営の方々には感謝申し上げます。
昨年福岡の地で初めて開催された『タモリカップ・ヨットレース』が今年も開催されることが決まりました。昨年は台風18号の影響でレースは中止となりましたが、レース前の海上パレードでは大会名誉会長のタモリさんへ参加各艇が思い思いのパフォーマンスを披露し、大会のハイライトである「大バーベキュー大会」は600人を超す参加者で大いに盛り上がりました。
今年も昨年同様横浜と福岡での開催が決まったようで、福岡が8月9日(土)-10日(日)、横浜が9月6日(土)-7日(日)で準備が進められるとのことです。昨年と違って9日(土)に前夜祭(大バーベキュー大会)が行われるとのことですが、詳細については近日中に発表されますのでいましばらくお待ちください。
1月から3回にわたって掲載してきた会員艇“KANALOA”号の九州一周航海記の最終章です。大分県蒲江港から一旦九州を離れて四国・愛媛県の宇和島に立ち寄り、大分県姫島を経由して母港の福岡市ヨットハーバー(小戸)までの航海記をお楽しみください。
「KANALOA号の九州一周航海記(蒲江港~小戸) pdf」