本部船運営記。2016年第10レースは“いそしぎ”さんでした。

2016年11月30日

11月27日(日)は今季最終戦の第10レースでした。当初は11月20日(日)の予定でしたが、アメリカズカップ・ワールドシリーズ福岡大会開催のため1週間延期になりました。天気予報では昼過ぎまで雨で、北北東・北の風8~12ノットとのことでした。

dsc04459今日の本部船はマスト修理中でレースに参加できない“いそしぎ”さんが引き受けていただきました。本部船未経験で不安でしたが、ハーバー事務所の鬼塚氏が乗っていただくということでお任せしました。レース委員長と相談のうえコースは博多湾口に浮かぶ「机島」時計回りに決め(コース長14マイル)、9:30から参加受付を開始し、16艇の会員艇が参加申し込みしました。未明から降り続いた雨も9時前にはいったん降り止み時折りぱらっと降る程度になりました。

dsc04456dsc0445810:00に受付終了してさっそく海面に乗り出しましたが、予報に反して風が安定せず、11:00のスタート前には西寄りの風で2ノット前後、大潮の前日でもあり各艇潮に流されて苦労していました。11:00にスタート信号が発せられましたが、直ぐに長音二声が発せられゼネリコ。11:05に次の予告信号が発せられ11:10に再スタート。スタート信号後に長音一声が発せられリコール艇があったようですがレースはそのままスタート。さーあ、今季最終戦、年間総合成績の行方も気になるのか各艇気合いが入っていますが、風が弱くて少々物足りない様子です。風向はころころ変わり風速も軽いパフが入ったと思うと止まり、その繰り返しでなかなか前に進めません。ジェネカーやスピンを上げ下ろししている艇、風を拾うため大きくコースを変えている艇、ようやくトップに躍り出た艇も失速、後ろから来た艇団に飲み込まれて再スタート、神経をすり減らす状況が続きます。それでも13:30頃からようやく北北東~北東の弱い風が連続して吹き出し全体的に艇速が上がり始めました。何とか回航ポイントの「机島」にたどり着く頃には10ノット近い風になり、回航後は各艇待ってましたとばかりにジェネカー、スピンを展開して豪快に快走しだしました。その後も風は強くなり平均で14ノット、ブローで18ノットの風も吹きました。ところが今日の風は気まぐれです。フィニッシュまで0.5マイルほどの地点で風が前に回って風速もがくんと落ち、先頭集団がもがいている間に後続集団がぐんぐん追いついてくる結果になりました。そんな中で15:12:18に“Humming bird Ⅴ”がトップでフィニッシュ。その後も次々にフィニッシュし、15:54:21に最終艇の“HIRO”がフィニッシュして2016年シリーズレースが無事に終了しました。

dsc04465dsc044612016年シリーズは4月の第2レースが熊本地震の影響で、8月の第6レースがゲリラ豪雨・落雷で中止となりましたが、残り8レースは事故もなくそれぞれにレースを楽しまれたことと思います。レースに参加された皆様、一年間本当にありがとうございました。また来年もレースでお会いしましょう。

[以下は本部船“いそしぎ”T氏からのレポートです]

マストの無い船を皆様の前にさらすのは顔から火が出る思いでしたが、鬼塚様のご指導の下、初めてHYCレースの本部船の運営をさせていただきました。

1週間前のアメリカズカップ・ワールドシリーズの余韻を残しながら、今年の最終レースを待つ皆様の期待とは裏腹に朝は生憎のお天気。天気予報は11時位から北東4m 曇り。コースについては吉川レース委員長と相談のうえ「机島時計回り」決定しました。アウターマークは打ったものの、風は超微風、南風。天気予報通りなら、あと20分で北が入ってくるかも....待てど風が吹く徴候なし。風を待つかどうか決めかねていると、それを察したレース委員長、「待つ必要なし!」。一同 御意!鬼塚教官の指導の下、机島に対してイーブンから本部船を10m落して設置。11:00スタート。風は南で殆ど無し。レース艇は潮の流れに身を任せ~~~となってまさかのゼネラルリコール!!で、本部船は大忙し。鬼塚教官 全艇スタートラインに戻れそうなことを確認して、11:10の2nd スタートを決定。2nd スタートは1艇のリコール艇有り。11:11:48にリコール解消!!お見事でした。“Jetta”!!しかし、アウターマークに入れなかった船が出た模様。風は無し!潮は逆潮。11:20“AZUMI”、11:30“Spilmer”がアウターマークを何とかクリアしてスタート。上位争いをしている船には残念な展開でした。風が吹けば挽回できる!!と祈ります。

本部船はここで前半の任務終了です。鬼塚教官をハーバーへお送りして、弁当を調達。14:10にフィニッシュライン設置完了。本部船付近は風が無くガスって霧雨、玄海島の西にかすかにセールが見えるかどうか。15:12:18、トップはさすがの高木裕氏が舵を握る“Humming Bird Ⅴ”がFinish。本日は大相撲千秋楽で福岡国際センターへ急がなければ!!ということで急ぎご帰還です。続いて2着は1艇だけ能古島寄りのコースを取った“May be”、3着は見事リコール解消の“Jetta”、4着は本部船当番を交代した“Le Grand Bleu 3 ”が入りました。おめでとうございます!!5着は10分遅れのスタートとなった“AZUMI”、6着はやっとマストが届いて半年ぶりにレース復帰の“Bambino”、フランスからマストを持ってくるのは遠かった。同じくマストの到着を待つ“いそしぎ”も待つ身の辛さを実感しております。はい!7着は“SIESTA”、今日は今年の夏に沖縄国際通りの呑み屋であった島津さんが奮闘したかな!8着、9着はFinish Lineまであと50mからデッドヒートを展開。下先行プロパーコースKeepの“Freestyle”、上位置を“JORDAN” 落とし気味で艇速を付けアウターマークを目指す。“Freestyle”このままではアウターマークに入れずタック要求、“JORDAN”それに即応しほぼ同時にタック。1分後に両艇Finish Line目指して“Freestyle”が先行タック、続いて“JORDAN” 数秒の間をおいてタック。“Freestyle”有利か??あと10mでFinish。ここで“JORDAN”が上で風を捉え、“Freestyle”より少し落とし気味で、艇速を伸ばしていく。届くか!! お見事!!山田艇長 逆転Finish!! なんと2秒差でした。緊張のデッドヒートをi-phoneで撮ろうとしましたが、記録係だったので操作間に合わず撮れませんでした。残念でした。続いて、“翔風”、“Spilmer”、“ZEPHYRUS”、“Little Wing”、 “Happy Horiday”、“HIRO”がFinish。なお、“METAXA”は途中でリタイアされました。

自分達だけではとてもゼネラルリコールの対応なんてできませんでした。またFinish Line間際の手に汗握るデットヒート、Finish Lineを切るまでは一瞬も気を抜けない緊張感、今日はいつも参加しているレースを外から見ることができて、本当に勉強になりました。貴重な経験をさせてもらいました。

以上、皆様にご指導戴き、無事最終レースの本部船運営を終了致しました。御礼、申し上げます。今後ともご指導賜ります様、宜しくお願い致します。 - いそしぎ 高橋 -


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