いよいよ始まったアメリカズカップ・ワールドシリーズ福岡大会
アジアで初めて開催される「アメリカズカップ・ワールドシリーズ」。その第9戦が博多湾で始まりました。昨日各チームのACボートが海に下ろされ、本日(18日)実際のレース海面で公式練習が行われました。
今日の福岡市は朝から快晴。午後は曇りで一時雨、夕方からは雨模様との予報が出ていました。肝心の風は5~8ノットとACボートには少々物足りない予報です。福岡市ヨットハーバー内の水面に朝陽を浴びて佇むACボートは神々しくもありました。普段利用するヨットハーバーに6艇のACボートが浮かんでいる光景は夢のようでした。ハーバーの沖合海面にはオラクルチームの応援艇の全長183フィートのメガヨット「あさひ」が停泊していました。
レースコースを運営するFSAF(福岡県セーリング連盟)レースエリア・チームはこれまで何度かの説明会を開き、先週の土曜日(12日)は海上での総合練習、昨日(17日)は実際のコースマークを使っての指定座標位置への設置訓練を行い今日の日を迎えました。午前9時に福岡市ヨットハーバーのセーリングハウス内会議室で各運営ボートの責任者が一堂に会し、ACRM(アメリカスカップ・イベントオーソリティー)レガッタ・ディレクターのイアン・マーレーから注意すべき点などの説明があり、参加者全員が真剣に聞き入っていました。今日は公式練習が3本、本戦の代替となる予備レースが1本実施されます。今日の風向に合わせてレースコースが決定され、各運営ボートは10時過ぎにはレース海面の指定位置に向けて出港していきました。博多ヨットクラブ所属のセールボート9艇もレース海面をガードするStake Boat (警戒船)として、目印のオレンジフラッグを掲げて指定座標ポイントに向かいました。途中で、陸上イベント会場がある「地行浜」の臨時係留ポイントに向かうACボートがサポートボートに引かれて通り過ぎていきました。
風がなかなか安定せず、風速も5ノット前後と弱いため、13:00スタート予定の公式練習№1がスタートしたのは13時過ぎになりました。スタート時には8ノット前後まで風速も上がり、各艇いいスピードでサイドマークに向かっていきました。マークを回って下マーク、上マークを回ってフィニッシュラインに向かいます。同じパターンで3レース行い、最後の予備レースを待ちます。本戦レースがノーレースとなった時の代替の予備レースとなるため、各チームとも全力投球です。風が10ノット近くに上がってきたためスタート、公式練習より2レグ多く上-下マークを回ってフィニッシュラインに向かいました。順位は1着イギリスのランドローバー艇、2着アメリカのオラクル艇、3着日本のソフトバンク・チームジャパン艇でした。今日は風が弱くて残念ながらフォイリング(船体が海面から浮き上がる)する滑走シーンは見られませんでしたが、随所に世界のトップセーラーが見せる迫力が伝わってきました。明日からの本戦ではぜひともいい風に恵まれ、フォイリングする姿を見たいものです。
明日から2日間、本戦の6レースが行われます。今日はレース観戦のボートが40隻ほど出ていましたが、明日、明後日は280隻の観戦ボートが出てくるようです。他船との衝突、接触事故を起こさないようくれぐれも注意してください。