「タモリカップ福岡」終了御礼
海を愛するタモリの日本一楽しいヨットレース「タモリカップ福岡」が9月15日(日)に終了しました。博多ヨットクラブは本大会の協力団体として山田会長が大会実行副委員長に就任するとともに、1艇でも多くの会員艇の皆様に参加していただくことを目標に支援をしてまいりました。結果として27艇もの会員の皆様に参加していただくとともにパーティー会場の設営準備にも有志の皆様にお手伝いいただきました。ご協力いただいたHYC会員艇の皆様に厚くお礼申し上げます。
日本に接近中の台風18号の動向が気になるところでした。大型の台風で風速15m/秒以上の強風域が広く、15日(日)はある程度の強風は予想していました。前日の14日(土)午後1時から、大会ボランティアスタッフと博多ヨットクラブ加盟の参加艇の有志の皆さんとで福岡市ヨットハーバーのディンギーヤードに約650席分のパーティー会場の設営作業を行いましたが、風による作業への影響はほとんどありませんでした。午後4時には設営作業もほぼ完了して、4時からは出艇申告、5時からは艇長会議が行われました。参加艇数はレイトエントリーも含めて最終的に89艇でした。艇長会議では大会実行委員長の秋山・福岡県セーリング連盟副会長の挨拶のあと、レース委員長の鬼塚・福岡県セーリング連盟国体強化委員長から帆走指示書の説明があり、引き続き西福岡マリーナ・マリノアの下坂氏から海上パレードの要領説明がありました。そしてパレード隊列を先導するエントリーナンバー1番の“May be号”オーナーで大会ゼネラルキャプテンの吉川氏から、パレード隊列の整列手順と強風で隊列の維持が困難になった場合は海上パレードそのものの中止もあり得ること、またパレード途中であっても危険な状況と判断した場合はパレードを途中で打ち切ることの説明がありました。そして、満場の拍手に迎えられて大会名誉会長のタモリさんが登壇され、「タモリカップ」開催に至った思いを交えて挨拶をされました。艇長会議が終わった午後6時からは、FYC・福岡ヨットクラブ様から「前夜祭が無いのは寂しいね。有志で盛り上がろう。」との声掛けで、地元福岡のレース仲間10数艇、約50人ほどで「自主的前夜祭」を翌日のパーティー会場の一角をお借りして挙行しました。秋山大会実行委員長や鬼塚レース委員長、そして日本を代表するセーラー高木裕氏も交えて夜の10時近くまでワイワイ盛り上がりました。高木氏は昨年12月にはオーストラリアのシドニー~ホバートヨットレース、今年の7月にはロサンゼルス~ホノルル間のトランスパックヨットレースにも参加されており、貴重なお話も聞けました。それにしてもこの自主的前夜祭に集結した各ヨットは、総合優勝のタモリカップにもっとも近い実力と経験がある福岡を代表するメンバーばかりで、今日のアルコールが明日のレースに影響しなければいいがと心配でした。 [写真をクリックすると大きくなります]
写真左から、〔秋山実行委員長〕 〔鬼塚レース委員長〕 〔吉川ゼネラルキャプテン〕 〔タモリ大会名誉会長〕
一晩明けた大会当日の15日(日)は、早朝から10ノット(5m/秒)前後の強い風が吹いており、午前8時の段階では時折20ノット近いブローが入ってきます。パレード隊列を先導する大きな大会旗を掲揚した1号艇“May be”の動向が気になるところですが、参加各艇は海上パレード、レースに備えて艤装に余念がありません。午前8時30分に予定どおり“May be”が出港し、小戸公園陸地と能古島の間の海面を、艇速3ノットの機走で大きく蛇行を繰り返しながら西福岡マリーナ・マリノアを目指します。後続のヨットは他艇のリコールナンバーを確認しながら若い番号順に隊列を整えていきます。午前9時頃には1番から順に89艇もの長いヨットの隊列が小戸の方向まで延々と連なり、博多湾ではこれまで経験したことのない壮観な眺めが出現しました。午前9時15分発の福岡市営能古渡船のフェリーが姪浜港を出港するのを合図に1番艇“May be”がマリノアに進入開始。その後を2番艇、3番艇と1艇身の間隔で続いていきます。この頃には風もコンスタントに20ノットになり、それも北の風なので真後ろから受ける形になり、エンジンをニュートラルにしても3~4ノットの艇速が出るので艇速をコントロールするのに悪戦苦闘しました。特に船外機のヨットは大変だったようです。狭い水路なので衝突の危険性も高くなり、場合によってはパレードの途中中止もあり得る状況になってきました。マリノアの大観覧車前の岸壁のお立ち台には真っ白の船長服に身を包んだタモリさんが大会の華マリンセーラーズのおねえさん達を従えてスタンバイ。タモリさんの横には司会のTNCテレビ西日本の素敵な新垣泉子アナウンサーが通過するヨットの艇名とコメントを紹介して、タモリさんが1艇1艇に激励の言葉をかけていきます。各ヨット側も負けじと趣向を凝らしたパフォーマンスを披露していきます。
写真左から、〔小戸出港後〕 〔徐々に隊列を整える〕 〔マリノアへの水路〕 〔いざタモリさんの前に〕
写真左から、〔タモリ大会名誉会長と司会の新垣アナウンサー〕 〔お立ち台〕 〔マリンセーラーズ〕 〔パレード艇〕
写真は、タモリ大会名誉会長の前でパフォーマンスを繰り広げるパレード参加艇(ごく一部)
次第に風が強まり20~25ノットになって衝突等の危険性がきわめて高くなってきたので、残念ながら海上パレードは50番台の後半くらいまでで中止となりました。参加各艇は小戸沖のスタート海面に向かいますが強風のため小型艇は苦労していました。スタート海面では本部船がアンカリングを完了してマークボートが第1マーク、第2マークを設置するために沖合に向かっています。10時過ぎにスタート海面に到着しましたがコンスタントに25ノット前後の北からの強風が吹き続け、波も2mほどになっています。レースに慣れたヨットはメインセール、ジブセールを上げてウォーミングアップを始めていますが、大半のヨットはメインセールも上げずにスタート海面を右に左に走っています。タモリ大会名誉会長も大型クルーザー“マリノア1”でスタート海面に到着しています。船上にはな、なんと井上陽水さんの姿も。もしかして「次は俺も“陽水カップ”を...」なんて考えているのかしら?てなことはないですよね。海上はブローで30ノットを超すようになり、1艇がディスマスト、1艇がジブセールを破ってしまいました。その他にもブームバング破損などのトラブルもありました。スタートは午前11時ですが10時45分頃に、この状況で強風のレースに慣れていない多数のヨットも含めて89艇ものヨットをスタートさせることは極めて危険と判断した本部船に「N旗」が上がりレースの中止が決定されました(正しい判断です)。横浜大会に続いて福岡大会も「台風」に泣かされました。
写真は左から、〔波でジャンプ〕 〔強烈なスプレー〕 〔折れたマスト〕 〔マリノア1上のタモリさんと左は井上陽水さん〕
ノーレースとなり参加艇は続々とヨットハーバーに帰って行きます。レースは中止になりましたが、こうなればメインイベントのBBQパーティーで大いに盛り上がるぞと気合は十分です。午後3時からの予定だった表彰式&BBQパーティーを繰り上げ開催するために陸上スタッフの動きが慌ただしくなりました。BBQパーティーを午後1時半から開始するとの放送があると参加艇のテンションもヒートアップしてきました。1時半に会場の入り口がオープンすると待ちわびた参加者が続々と入場し、650席用意していた席があっという間に埋め尽くされました。ステージ上に総合司会のTNCテレビ西日本の新垣アナウンサーが登場し、いよいよ本大会のメインイベントであるBBQパーティーの開幕です。最初に秋山大会実行委員長の挨拶、幻となった総合優勝杯「タモリカップ」の披露と来年も福岡でやるぞーというタモリ大会名誉会長の力強い決意表明、そして大会ゼネラルキャプテン“May be号”の吉川オーナーの音頭で乾杯、いよいよ待ちに待った「タモリカップ福岡」の神髄がスタートしました。続いて本大会に協賛いただいた各社の紹介があり、福岡のプロダンサーによるダンスの演技で会場も徐々にヒートアップ。各テーブルではLOGOSさん提供のBBQコンロでお肉が焼け始め、特製“タモリカップビール”で乾杯!の声、声、声。地元福岡で活躍するサルサバンド“Sakura y su Pinto Con Pintura”の演奏が始まると会場も一気に興奮状態に突入し、マリンセーラーズのおねえさん達と一緒にステージ前でサルサの踊りに興じていきました。 終盤にはタモリさんも演奏に特別参加。得意のコンガの熱演でステージも会場も熱狂です。
左から、〔開幕を待ちわびる参加者〕 〔タモリカップの披露〕 〔乾杯の発声〕 〔特製タモリカップビール〕
〔福岡のプロダンサー〕 〔福岡のサルサバンド“Sakura y su Pinto Con Pintura”〕
〔肉、肉、肉、各チーム本当においしそうに食べて大満足の表情です。吉野家の牛丼、ナポリの窯さんのピザも最高〕
アルコールも入り参加艇メンバーとステージが一体となり、タモリさんのコンガの熱演で興奮のるつぼと化していった
2時間の予定だったBBQパーティーも会場の熱気に押されて30分延長となり、最後にタモリさんから「来年もタモリカップを福岡でやってもいいかな!」という声に、会場からは割れんばかりの大きな声で「いいとも!」で会場がひとつとなり、午後4時に第1回タモリカップ福岡が閉幕しました。レースこそできませんでしたが、県外など他所の水域から参加したヨットとも交流ができ、また普段はヨットには無関心なご家族も一緒にパーティーに参加して心から楽しんでおられた姿が多く見受けられ、これこそがタモリさんが目指しているものだと改めて感じ入りました。準備期間が短い中ヨット“May be”の皆様が中心となり、大会を支えていただいた多くのボランティアの皆さんのご努力により実現した「タモリカップ福岡」、来年も博多の海で盛大に開催できますことを願っています。
タモリカップ福岡の公式Facebookに、多数の記録写真と会場パレードの動画が掲載さていますので是非ご覧ください。
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