3月19日(日)は2017年HYCシリーズレースの開幕戦でした。4か月ぶりのレースを待ちわびた20艇の会員艇が快晴の博多湾でセーリングを堪能しました。事前の気象予報では晴れ、北~北北東の風、4~12ノット、波は1mと絶好のコンディション下での開幕レース。コースは小戸沖から能古島沖の象瀬を左に見て回航し、博多湾口の机島を反時計で回ってくる約13マイルほどの距離です。昼頃には10ノットを超える風が吹きそうなので、小型艇でも3時間くらいでフィニッシュできそうです。
第1レースの本部船は“Freestyle”チームに引き受けていただきました。8時半過ぎにはチームの面々がハーバーに集合し、マークブイなど運営用品を船に積み込み、クラブハウス2階でレース受付の準備を済ませます。9時前にはレース委員長を交えてレースコースを決定し、9:30からの受付に備えますが、9時過ぎにはレースを待ちわびた会員艇が続々とエントリーにやってきます。10時に受付を終了してスタートライン設置のために出港しましたが、風は4~5ノットと弱く海面も鏡のように滑らかな状態でした。ハーバーの直ぐ沖合には「のり網」が設置されているので(3月中には撤去予定)かなり沖合にスタートラインを設置しました。11:00のスタート時刻が近づくと北北東の風、6ノット前後と安定し、各艇スタボードタックでスタートラインにアプローチしていきます。アウターマークが有利と判断した艇が多くアウターに集中していきますが、本部船からアウターマークまできれいにスタートラインに揃い、11:00のスタート信号ではリコール艇もなく「オールフェア」で2017年第1レースがスタートしました。
殆どの艇がスタート後に第1回航ポイントである「象瀬」方向にタックを返し、ポートタックで進んでいきます。象瀬通過は最大艇の“May be”、2番手は高木 裕氏がヘルムを取る“Humming bird Ⅴ”、後続艇も次々に通過していきます。しかしながら、象瀬を過ぎた辺りで風が落ち各艇とも艇速が落ちてきました。東海面からの風の吹き出しを予測してそのまま進む艇、第2回航ポイントの「机島」に少しでも近づいておこうとタックを返して西海面に向かう艇に分かれましたが、ここでの選択が勝敗の明暗を分けたようです。しばらくすると志賀島の北方向、東海面からいい風が入り出し、先行艇は大きくヒールしながら加速していきます。“Humming bird Ⅴ”がトップで机島を回航し、大きなジェネカーを展開して後続艇を引き離していきます。机島回航時点では風速もコンスタントに10ノットを超え、絶好のコンディションとなりました。
12:47:38に“Humming bird Ⅴ”が堂々のファーストホーム、約5分遅れの12:52:09に“MALOLO”が2着、12:54:25に“Suru Sumi”が3着と、スピンジェネカーに風をいっぱいに受けて次々にフィニッシュラインを通過していきます。そして最終艇の“Notari 3”がシングルハンドながら13:33:49に無事にフィニッシュし、2017年開幕戦が終了しました。レース後半戦、沖合から強い風が入り続け、Max17ノット、平均でも14~15ノットの風の中、後続艇に有利な展開となりました。本部船を運営していただいた“Freestyle”チームの皆さん、本当にお疲れ様でした。
[以下は本部船“Freestyle”のA子嬢からのコメントです]
こんにちは!初めて本部船運営記を書かせていただきます、FreestyleクルーのA子です!2017年HYC初戦、8時半集合☆-( ^-゚)v滞りなくレースを運営させるべく、しっかりお勤めしなくては!本日気持ちの良いレース日和!半袖の人も見かけます!アメリカズカップウェアやグッズを身に付けている方も見かけます(∩˃o˂∩)♡
さて、受付も終わりいざ出航!我らが行かねばレースは出来ぬ!と意気込んでいたところ、フラッグ忘れとるやないか~い。新人君に1人で倉庫へ備品取りに行かせたの誰じゃ~。
気を取り直してイザ出航!さあ、さあ、皆の衆、着いておいでーっ!今日は私が女王様。私がルールよ。スタートラインも、ゴールタイムも(?)私が決めますわよ!ほほほほほほ。ところが、「こら後輩!ライン狭い!by LWオーナー」「はいわかりました先輩←by うちのオーナー」うちのオーナー立場弱かった。あっという間に5分前!4分前!1分前!11時ジャストでスタートです!この瞬間大好き(∩˃o˂∩)♡20艇が一斉にスタートしました!オールフェア!みなさん行ってらっしゃーい!
ゴールラインを設定したら、あとはお気楽観戦モードです。おおー!あそこ接戦ですねぇ。どの艇がファーストかしら。あ!もうあんなところに、え、え、え、早いぃー!そして、栄えあるファーストフィニッシュはHumming bird Ⅴだーー!!続いて、MALOLOが来たー!お久しぶりに見たー!どんどんゴールして来ます!本部艇からはゴール手前のコース取りや迫力のジャイビングが見れます。勉強になりますね!そしていつも尊敬してしまうHappy Holidayのシングルハンドでの操船も見ることができます!参加20艇全部が無事ゴールし、本部船Freestyleも撤収です。
そしてそして!優勝はぁああ!赤いぃぃぃ!! SIESTAーーーー!!ぱんぱかぱーーーんっ!おめでとうございます!!
HYC第2レースはいよいよFreestyleもレースに参戦、その前に練習しなきゃ。帰港中にキャビンで揺られながらレース記録を書いていたら船酔いしましたよ(๑⁺д⁺๑)◞
11月27日(日)は今季最終戦の第10レースでした。当初は11月20日(日)の予定でしたが、アメリカズカップ・ワールドシリーズ福岡大会開催のため1週間延期になりました。天気予報では昼過ぎまで雨で、北北東・北の風8~12ノットとのことでした。
今日の本部船はマスト修理中でレースに参加できない“いそしぎ”さんが引き受けていただきました。本部船未経験で不安でしたが、ハーバー事務所の鬼塚氏が乗っていただくということでお任せしました。レース委員長と相談のうえコースは博多湾口に浮かぶ「机島」時計回りに決め(コース長14マイル)、9:30から参加受付を開始し、16艇の会員艇が参加申し込みしました。未明から降り続いた雨も9時前にはいったん降り止み時折りぱらっと降る程度になりました。
10:00に受付終了してさっそく海面に乗り出しましたが、予報に反して風が安定せず、11:00のスタート前には西寄りの風で2ノット前後、大潮の前日でもあり各艇潮に流されて苦労していました。11:00にスタート信号が発せられましたが、直ぐに長音二声が発せられゼネリコ。11:05に次の予告信号が発せられ11:10に再スタート。スタート信号後に長音一声が発せられリコール艇があったようですがレースはそのままスタート。さーあ、今季最終戦、年間総合成績の行方も気になるのか各艇気合いが入っていますが、風が弱くて少々物足りない様子です。風向はころころ変わり風速も軽いパフが入ったと思うと止まり、その繰り返しでなかなか前に進めません。ジェネカーやスピンを上げ下ろししている艇、風を拾うため大きくコースを変えている艇、ようやくトップに躍り出た艇も失速、後ろから来た艇団に飲み込まれて再スタート、神経をすり減らす状況が続きます。それでも13:30頃からようやく北北東~北東の弱い風が連続して吹き出し全体的に艇速が上がり始めました。何とか回航ポイントの「机島」にたどり着く頃には10ノット近い風になり、回航後は各艇待ってましたとばかりにジェネカー、スピンを展開して豪快に快走しだしました。その後も風は強くなり平均で14ノット、ブローで18ノットの風も吹きました。ところが今日の風は気まぐれです。フィニッシュまで0.5マイルほどの地点で風が前に回って風速もがくんと落ち、先頭集団がもがいている間に後続集団がぐんぐん追いついてくる結果になりました。そんな中で15:12:18に“Humming bird Ⅴ”がトップでフィニッシュ。その後も次々にフィニッシュし、15:54:21に最終艇の“HIRO”がフィニッシュして2016年シリーズレースが無事に終了しました。
2016年シリーズは4月の第2レースが熊本地震の影響で、8月の第6レースがゲリラ豪雨・落雷で中止となりましたが、残り8レースは事故もなくそれぞれにレースを楽しまれたことと思います。レースに参加された皆様、一年間本当にありがとうございました。また来年もレースでお会いしましょう。
[以下は本部船“いそしぎ”T氏からのレポートです]
マストの無い船を皆様の前にさらすのは顔から火が出る思いでしたが、鬼塚様のご指導の下、初めてHYCレースの本部船の運営をさせていただきました。
1週間前のアメリカズカップ・ワールドシリーズの余韻を残しながら、今年の最終レースを待つ皆様の期待とは裏腹に朝は生憎のお天気。天気予報は11時位から北東4m 曇り。コースについては吉川レース委員長と相談のうえ「机島時計回り」決定しました。アウターマークは打ったものの、風は超微風、南風。天気予報通りなら、あと20分で北が入ってくるかも....待てど風が吹く徴候なし。風を待つかどうか決めかねていると、それを察したレース委員長、「待つ必要なし!」。一同 御意!鬼塚教官の指導の下、机島に対してイーブンから本部船を10m落して設置。11:00スタート。風は南で殆ど無し。レース艇は潮の流れに身を任せ~~~となってまさかのゼネラルリコール!!で、本部船は大忙し。鬼塚教官 全艇スタートラインに戻れそうなことを確認して、11:10の2nd スタートを決定。2nd スタートは1艇のリコール艇有り。11:11:48にリコール解消!!お見事でした。“Jetta”!!しかし、アウターマークに入れなかった船が出た模様。風は無し!潮は逆潮。11:20“AZUMI”、11:30“Spilmer”がアウターマークを何とかクリアしてスタート。上位争いをしている船には残念な展開でした。風が吹けば挽回できる!!と祈ります。
本部船はここで前半の任務終了です。鬼塚教官をハーバーへお送りして、弁当を調達。14:10にフィニッシュライン設置完了。本部船付近は風が無くガスって霧雨、玄海島の西にかすかにセールが見えるかどうか。15:12:18、トップはさすがの高木裕氏が舵を握る“Humming Bird Ⅴ”がFinish。本日は大相撲千秋楽で福岡国際センターへ急がなければ!!ということで急ぎご帰還です。続いて2着は1艇だけ能古島寄りのコースを取った“May be”、3着は見事リコール解消の“Jetta”、4着は本部船当番を交代した“Le Grand Bleu 3 ”が入りました。おめでとうございます!!5着は10分遅れのスタートとなった“AZUMI”、6着はやっとマストが届いて半年ぶりにレース復帰の“Bambino”、フランスからマストを持ってくるのは遠かった。同じくマストの到着を待つ“いそしぎ”も待つ身の辛さを実感しております。はい!7着は“SIESTA”、今日は今年の夏に沖縄国際通りの呑み屋であった島津さんが奮闘したかな!8着、9着はFinish Lineまであと50mからデッドヒートを展開。下先行プロパーコースKeepの“Freestyle”、上位置を“JORDAN” 落とし気味で艇速を付けアウターマークを目指す。“Freestyle”このままではアウターマークに入れずタック要求、“JORDAN”それに即応しほぼ同時にタック。1分後に両艇Finish Line目指して“Freestyle”が先行タック、続いて“JORDAN” 数秒の間をおいてタック。“Freestyle”有利か??あと10mでFinish。ここで“JORDAN”が上で風を捉え、“Freestyle”より少し落とし気味で、艇速を伸ばしていく。届くか!! お見事!!山田艇長 逆転Finish!! なんと2秒差でした。緊張のデッドヒートをi-phoneで撮ろうとしましたが、記録係だったので操作間に合わず撮れませんでした。残念でした。続いて、“翔風”、“Spilmer”、“ZEPHYRUS”、“Little Wing”、 “Happy Horiday”、“HIRO”がFinish。なお、“METAXA”は途中でリタイアされました。
自分達だけではとてもゼネラルリコールの対応なんてできませんでした。またFinish Line間際の手に汗握るデットヒート、Finish Lineを切るまでは一瞬も気を抜けない緊張感、今日はいつも参加しているレースを外から見ることができて、本当に勉強になりました。貴重な経験をさせてもらいました。
以上、皆様にご指導戴き、無事最終レースの本部船運営を終了致しました。御礼、申し上げます。今後ともご指導賜ります様、宜しくお願い致します。 - いそしぎ 高橋 -
9月18日(日)の第8レースは“麻里絵”さんに本部船を担当していただきました。今日の天気予報は台風16号接近の影響で、風はまだ強くないが激しい雨と雷も予想されるとのことでした。今日のコースは湾外の予定で8:30から受け付け、10:00スタートのため、8時過ぎにはレース委員長、本部船運営担当がハーバーに到着し、気象情報をもとにレースコースを検討した結果、北西の風6~10ノット、ただし雨は結構降るだろうとのことで、短めの博多湾口の玄界島一周に決定しました。
朝の天気予報では大雨の情報が出ていたので果たして何艇参加するだろうかと気を揉みましたが、常連さん12艇がエントリーしました。9時過ぎには出港準備を終えた各艇が舫を解いて元気に出港していきました。雨はそう激しくはありませんが降ったり止んだりの状況で、時折り霧が濃く立ち込めて視界も0.1マイルほどになります。すぐ横の能古島や出てきたばかりのヨットハーバーも霧に隠れて見えなくなるため、GPSプロッターとコンパスを頼りにしてスタート予定地点に向かいます。各艇は安全のため航海灯を点灯しています。
スタート前には霧も晴れて沖合の玄界島も見えてきました。4ノット前後の弱い風の中、11:00に全艇オールフェアでレーススタート。スタート後風が落ちて2ノット前後の超微風となり、場所によっては風速0、艇速0という艇もあり、皆さん大変苦労したようです。このような状況の中にあっても大型艇の“Humming bird Ⅴ”や“May be”、“Second Love”は僅かな風道を拾ってジワジワと前に出て行きます。その他の艇は風を拾おうと右に行ったり左に行ったりと苦労していました。
13:36:36に“Humming bird Ⅴ”が1着でフィニッシュ、続いて“May be”が13:42:18に2着、“Second Love”が14:10:01に3着でフィニッシュし、後続艇は気まぐれな風と雨に翻弄されて大きく遅れました。1時間以上経過して“METAXA Ⅴ”がやっと4着でフィニッシュした後は順次フィニッシュラインを通過しましたが、最後尾の“SIESTA”は健闘しましたが僅かにタイムリミットに届きませんでした。悪天候下のレースとなり、参加したレース艇、本部船を運営した皆様、本当にお疲れ様でした。
[以下は本部船“麻里絵”I氏からのレポートです]
台風16号接近のためレースも中止かと予想していましたが、雨の中ということで今年の博多ヨットクラブレースでは最悪のコンディション下での本部船でした。ハーバー出港当初は小雨でしたが、「スタートラインはやや短くしまーす」と公言していたのでやや短めに、玄界島に対してほぼイーブンになるようなラインとしました。大番頭のH氏が船頭でしたので、そこはお手の物、見事でした。リミットマークを打って本部船もアンカリングしてスタートラインを設置しましたが、雨脚もやや強くなってきて風は北で4ノット程度だったでしょうか、雷も落ちたりして何やら怪しげな雰囲気となってきました。気が付くとすぐ横の能古島もどこかわからないくらいの視界です。あれ?リミットマークも見えない!というような状況です。スタート担当にリミットマークだけは見失わないようにお願いしました。参加艇は12艇です。私が時計担当ですので、3秒前、2秒目、1秒前、はい5分前!あれ、フォグフォーンが...押し間違えで2、3秒遅れてしまいました。やり直しもできないのでそのままゴーとしました。皆様大変失礼しました。
4分前の準備信号、1分前の信号、こちらはきっちりとフォグフォーンを鳴らし、午前11時ちょうどにスタート信号を発し、リコール艇なしのオールフェアでレースがスタートしました。ほっとひと安心です。風も弱いのでH氏がレースの邪魔にならないように風下から見学に行こうと、アンカーを上げて微速でレース観戦に行きました。各艇微風の中なかなかスピードが出ません。このような中でHumming bird、May beがじわじわと先行して唐泊寄りを帆走していますが、いい風を掴んだようです。各艇机島の向こうを回りだすと島影に入って本部船からは詳細が分かりません。じっくり待つことにして軽い昼食にしました。ウミネコが1羽船のそばに寄ってきたので、パンやバナナを投げ与えると食べたので、しばらく一緒に遊んでいました。どうやら潮が西に流れているようです。ウミネコも好き嫌いがあるようでチョコレートの混じったパンは硬いのかあまり食べる様子はありません。
そうこうする内にトップの3艇がスピンネーカー、ジェネカーで次々にフィニッシュしました。4位以下は遥か遠くにいてなかなか近付いてきません。4着のMETAXAは3着のSecond Loveより1時間以上遅れてフィニッシュ。この頃には風が南に変わって各艇ジブでのフィニッシュとなりました。Spilmer、ENTERPRISE LILYはともに潮がきつくて結構苦労していたようです。最後のSIESTAもしっかり上ってきていましたが、あと僅かというところで16時00分のタイムリミットとなりました。しかしながら完走に敬意を表してフィニッシュラインはしっかり最後までキープさせていただきました。公式記録には残りませんが無事16:03:25にレースを終了されました。本当にお疲れ様でした。
生憎の雨の中のレースとなりましたが全艇無事にレースを終了され、最後まであきらめない姿、微風でもしっかり努力する姿を学ばせていただいたことに感謝して本部船運営記とさせていただきます。<麻里絵 井手 誠一郎>
7月第5レースは小戸沖から長崎県壱岐アイランドを目指す伝統の「壱岐レース」です。昨年は午前4時スタートでしたが今年は参加艇の安全を最優先に夜が白み始める午前5時スタートにしました。昨年はスタート時からしばらくの間、無風~超微風の苦しい展開でしたが、今年は6~14ノットの風に恵まれレースには最高のコンディションでした。また梅雨明け間近の微妙な時期で天候が心配でしたが、幸いにも雨にも合わず夏空の下の快適なセーリングが楽しめました。
スタートが午前5時ということもあり、前日の16日(土)に出艇申告(16:30~17:00)、艇長会議(17:00~17:30)を行い18艇がエントリーしました。今回は初めて県外からの参加があり、山口県室津から「悟空」さんが、佐賀県唐津から「FUKUNORI(福徳)」さんが参加されました。おりしも博多湾では全日本A級ディンギー選手権が開催されており、小戸の福岡市ヨットハーバーは70代、80代の往年のセーラーの皆さんが元気に艇の整備等に励んでおられました。
スタート本部船は「May be」が務め全艇スタート後にアンカーを上げてレースに参加です。この場合「所要時間-10分」の救済をすることにしています。壱岐フィニッシュ本部船は「SIESTA」が務めました。レース当日の17日(日)午前3時頃までは時折りざーっと雨が降っていましたが4時前には雨も上がり、ポンツーンのあちこちで航海灯が点灯し出港準備が慌ただしくなりました。スタート前の海面は西の風6~8ノットで、スタート本部船を務める「May be」の周りに参加艇が続々集まってきます。スタートラインはヨットハーバー入口の入港灯(緑)と沖合に停泊した「May be」の見通し線で本部船を左に見てスタートです。4:55に予告信号、4:56に準備信号が発せられ、5:00ちょうどにスタート信号が発せられ2016年博多ヨットクラブ・壱岐レースがスタートしました。リコール艇もなく全艇オールフェアのきれいなスタートでした。
コースは博多湾口に位置する玄界島と西側の糸島半島の間を通過しますが(玄界島の東側通過も可)、ちょうど中間に位置する机島の西側を通るか東側を通るか悩むところです。西の風でポートタックの片上りなのでどちらを通っても違いはないようですが、結果としては半島寄りを選択した艇は陸地のブランケットに捉まり苦労したようです。博多湾を出てからしばらくは全艇ポートタックで走っていましたが、正面からの波を嫌って途中でタックして西海面に向かった艇が何艇かいましたが、結果としてはこれが大失敗。最後までポートタックで伸ばした艇が着順でも上位を独占しました。ロングコースのレースはコース取り如何で小さなヨットが大型艇を出し抜くこともあり、実に爽快で気分がいいものです。この海域は旅客船の往来も多く、博多港と壱岐・対馬を結ぶ高速船やフェリー、韓国・釜山を結ぶジェットフォイルが近くを通過していきます。また沖合からは中国の超大型クルーズ船が博多港に向かっていました。
全艇のスタートを見届けてアンカーを上げ、セールをセットして10分遅れでレースに参加した「May be」は、51フィートの全長にものを言わせ、早々と先行艇を抜き去って前に出て行きました。途中太陽も顔を覗かせ、風も10~14ノットと絶好のコンディションとなり早いレース展開になりました。
10:31:03に最大艇「May be」が貫録のファーストホーム、11:00:40に並み居る40フィート艇を押さえて35フィートの「Suru Sumi」が2着でフィニッシュ。その後も続々とフィニッシュが続き、13:08:02に最終艇「Little Wing」がフィニッシュして2016年壱岐レースが無事に終了しました。昨年はファーストホーム艇の所要時間が9時間半、最終艇の所要時間が12時間20分だったので、今年は風に恵まれたため4時間ほど早くフィニッシュできました。
フィニッシュ地点の「筒城浜」は壱岐で最も有名な海水浴場で、ビーチには色とりどりのビーチパラソルが林立し、夏を待ちわびた海水浴客が大勢繰り出していました。ここの海は透明度が高く、近くのヨットのキールやラダーもきれいに見えていました。フィニッシュ後はとんぼ返りで帰る艇もありましたが、フィニッシュ地点の七湊港、西の印通寺港、東の芦辺港それぞれに入港し旅館や民宿で1泊する艇など、それぞれに壱岐レースを楽しみました。JORDAN、SIESTA、いそしぎ、ZEPHYRUSは壱岐の北、勝本町湯ノ本の天然温泉の民宿に、Second Love、MALOLO、Little Wing、Grand Bleu、Spilmerは筒城浜の民宿で、その他にもHumming bird Ⅴ、Suru Sumi、ENTERPRISE LILY、翔風、悟空さんも壱岐に1泊され、新鮮な魚と壱岐焼酎を堪能したようです。麻里絵さんは日本一の民宿と定評のある佐賀県呼子沖に浮かぶ加唐島に向かいました。
JORDAN、SIESTA、いそしぎ、ZEPHYRUSが同宿となった天然温泉が湧く湯ノ本の民宿「海老館」では、壱岐で唯一の海辺沿いの男女別露天風呂に浸かってレース・本部船の疲れを癒して夕食までのひとときを部屋で寛ぎ、持ち込んだ冷えたビールや焼酎、夏の定番「生ライムを使った本格的ジントニック」で大いに盛り上がりました。夕食・宴会は宿の裏手の高台に建つ国民宿舎「壱岐島荘」の宴会場で行い、他艇メンバーとの交流を深めました。一方、筒城浜の民宿「白鴎」でもLittle Wing以下5艇が同宿となり、カラオケも飛び出して大いに盛り上がったそうです。
翌日は7時頃から朝食を済ませ、宿の車で係留地の芦辺港、印通寺港、七湊港に送っていただき、帰りの食料・飲料・氷とお土産を買い込んでそれぞれに博多に向けて出港しました。芦辺港には歩いて行ける距離に大型ショッピングセンター「イオン壱岐店」が、印通寺港にはショッピングセンター「マリンパル壱岐」があり朝8時から営業しているのでとても便利でした。40年近く続く博多ヨットクラブの壱岐レース、ぜひ皆さんもご参加ください。夏の壱岐は最高です!
[フィニッシュ本部船“SIESTA”ヨット歴2年目の食事担当N嬢のレポート]
今回本部船とのことで、7月17日(日)の午前1時半に小戸を出航しました。オーバーナイトは初体験のわ・た・し♡ 絶対にライトの光を人に向けちゃいかんということを学びレッツゴー壱岐!
風はまっぽ?(よく分かりません・・)らしくセールは上げずに行きました。深夜といえども薄く明かりがあり、遠くの灯台の光もよく見えていたし、風も波もいい感じでした。「ナイトレースやったらおもろかったやろうね」「この風は明け方には落ちるもんなぁ。リミットまでかかるかいな」なんて会話をしつつ、私はウトウトしつつ(先輩方すみませんっ)。明け方に名島を過ぎて飲んだ味噌汁は心にも体にも染みました・・・。先輩方はその後ビールをプシューっと(笑)5時半くらいにフィニッシュ地点に到着しアンカリング。私は初めてアンカリングというものを経験しました。今回は初めてづくし♡ 6時半に日除けのオーニングを張り、朝食を食べ、ビールを飲み、先輩を差し置いてバウで仮眠(すみません)。レース中のヨットからオーナーの携帯に「今、名島通過です」と連絡を頂いたみたいで、「そろそろ準備しようか」と起床(私だけっ)。フィニッシュ待ちとはいえ、ビール片手に海の上の涼しい風と波のキラキラ、そしてバナナボートで遊ぶ女子の黄色い声、最高ののんびりまったりタイム、味わったことのない幸せでした。天気に恵まれて本当に良かったです。
先頭の艇が「もうすぐゴールです」と連絡を入れて下さったものの、遠く名島の近くに薄らと4艇ほど見えるばかりで近くには何も見えません。先輩方が「客観的にレースを見るって面白いっすねー。あれがMay beかな」なーんて話をしていたら、いきなり隣の岬の陰からヒョコッと顔を出したヨットがMay beでした!新しくなった全長51フィートのMay beが間近を走る迫力・スピード・ヒールのかっこいいこと。フィニッシュしたらそのまま「帰りまーす」とおっしゃって、また玄界灘に飛び出していかれました。その後次々と2着、3着・・・とフィニッシュ。フィニッシュ手前に風が乱れるところがあったようで、何艇かふらついていました。風が見えたような気がした瞬間でした。
今回はバラバラにフィニッシュするのではなく、ある程度何艇か固まってフィニッシュするパターンが多かったです。私は長期戦(タイムリミットの17時)を予想していて、「後でゆっくり待機しているときに泳ごう♪」なんで思っていましたが、皆さん順調にフィニッシュされ、のんびりしていたSIESTAメンバーはバタバタ片付けしながらフィニッシュ待ちという状況になっちゃいました。今回レース参加の18艇(県外から特別に2艇参加)、皆さん時間内&無事にフィニッシュ出来て何よりです♪皆さん夜明け前からのレースお疲れ様でした(^o^)
6月19日(日)の第4レースは“Little Wing”チームに本部船を担当していただきました。今日の天気予報は午前中は雨模様で、南寄りの風、8ノット前後ということでしたが、未明まで激しく降っていた雨も朝には降り止み、まずまずの天候です。8時半過ぎには本部船メンバー、レース委員長もハーバーに到着し、今日のレースコースの決定、本部船への運営用品の積み込み、9時半からの受付準備を済ませます。コースは博多湾口の机島そばの「クタベ゙瀬・黄色ブイ」時計回りに決定。10時の受付終了で20艇(内オープン参加1艇)が参加です。
出港準備を終えた参加艇と本部船が次々と出港していきます。風は西の風となり6ノット前後、うねりもほとんどなくまずまずのコンディションです。通常よりやや沖合いにスタートラインが設置され、各艇ウォーミングアップで海面を走り回っています。スタート前には風が若干北に振れ(西北西)スタボードタックでラインを流してもギリギリラインを切れない状況となったため、スタボードタックのクローズホールドでライン沿いを流し、スタート信号と同時にタックしてポートタックで出て行くか、タイミングを計ってポートタックでアプローチしてラインを切るか悩むところです。スタート2分前には多くの艇が本部船寄りからスタボードタックでラインにアプローチし、何艇かはポートタックでアウターマーク寄りからのスタートを狙っています。午前11時ちょうどにスタート信号が発せられ、リコール艇が1艇ありましたが(リコール解消)きれいにスタート。風速も若干上がりそうな気配で、意外と早いレース展開になりそうです。
回航ポイントの「クタベ瀬・黄色ブイ」までの往路では、気まぐれな風に翻弄されました。10ノット近く吹いたかと思うと4ノットまで落ち、いきなり90度風向が変わるなど各艇苦労していましたが、復路では風も安定して10ノットオーバー、ブローで18ノットまで吹きました。スタボードタックのビームリーチ~クローズリーチで、ジェネカー艇は安定した走りをしていましたが、スピンネーカーを上げた艇の中にはブローチングしていた艇もあり、なかなかダイナミックなレースになりました。
参加艇中最大の51フィートの“May be”が12:24:57に1着でフィニッシュ。2着以降も安定した走りで次々とフィニッシュし、13:23:51に最終艇がフィニッシュして無事にレースを終了しました。修正1位は3着の“Suru Sumi”さんでした。今日は雨の中でのレースを覚悟していましたが天気の回復が早く、オイルスキンを着ることもなく、セールも濡れずに快適なセーリングが楽しめました。
[以下は本部船“Little Wing”Oオーナーからのレポートです]
“Little Wing”艇としては2年振りの本部船運営となりました。前回の第3レース終了直後より、クルー全員で「HYCレース本部船運営マニュアル」を共有し、各自あらためて読み直し、イメージトレーニングを行いレース当日を迎えました。心配は天候でしたが、おおかたの予報に反して雨も上がり、夏のレースらしいコンディションとなりました。事前ミーティングでは、各自の役割分担確認を繰り返し、いつものレース以上に気合いを入れていざレース海面へ。リミットマークを設置し、マニュアルに従ってスタート手順をひとつずつ消化していきました。
さあ、いよいよスタートです。“JORDAN”さんにフライングが認められた為、ただちにリコールの宣告を行いました。本部船クルーの間に一瞬にして緊張が走ります。シモ側からのスタートのJORDANにリコールが聞こえてるかな?それで拡声器で何度も呼びかけました。もしかして聞こえてないかな?と思った瞬間、背後からクルーの1人が拡声器より馬鹿でかい声で一声を発しました!みなさんがこちらを向いたので、大変有効だったかと思いました (笑)“JORDAN”さんの実に真摯な対応により、まもなくリコール解消。なんとか無事にみなさんを送り出す事が出来ました。その後、風も上がり、レースはスピーディな展開に。昼食もそこそこに、すぐさまフィニッシュの準備にかかります。本部船の醍醐味は、何と言っても普段なかなかゆっくり見ることのできない他艇のクルーワークやコース取りなどを、じっくり見ることができる所にあるかと思います。スタートで緊張した分、フィニッシュではその醍醐味を十分に味わうことが出来ました。心配された天候もレース終了まで持ちこたえ、エキサイティングなレースになったかと思います。レース以外でもチームワークは大事ですね〜さあ次回のレースは頑張りますよ。参加艇のみなさん、お疲れ様でした! ⛵リトルウィング
5月15日(日)は2016年HYCシリーズレースの第3戦でした。先月の第2レースは熊本地震を考慮して中止したため2か月ぶりのレースでした。結果的には4月17日のレース当日は30ノットオーバーの強風が吹き荒れ中止は正解でした。
今日は「湾外コース」の予定で、今年から湾外コースはスタート時間を1時間早めて午前10時スタートに変更しました(7月の第5レース・壱岐レースは別途)。このため受付時間も8:30~9:00と早めたので、8時過ぎには本部船運営担当の昨年の年間チャンピオン“Freestyle”メンバーが集合し、レース参加艇のメンバーもぼつぼつハーバーに参集してきます。今日の気象予報では、南寄りの風で風速は4~10ノットとロングコースには弱い風ですが、吉川レース委員長とも相談のうえ湾外の「相島時計回り回航」に決定しました。直線距離で約27マイルなので風が弱いままだとタイムリミット(17:00)が気になるところで、コース短縮も考えておかないとなりません。
9:00の受付終了で20艇の会員艇が参加です。9:00過ぎには本部船が出港し、通常位置より1マイルほど沖合にスタートラインを設置します。風は予報に反して北寄りの風となり風速はは5ノット前後。10:00のスタートでは1艇のリコールがありましたが、全艇「シタエ曽根」に向けて好スタート。全艇がタイムリミット内にフィニッシュできますように。
レースの進行は、安定した風の吹き出しはなく、全般的に弱くて無風帯もあり各艇苦労したようですが、根気よく僅かな風を拾ってロングレースを楽しんでいました。途中で本部船から「コース短縮」の連絡があり、博多湾の入口の志賀島-玄界島を結ぶライン上にある「シタエ曽根」ブイと本部船の間がフィニッシュラインになりました。5マイルほど距離が短縮になったので何とかタイムリミットはクリアできそうです。博多湾内では博多-長崎県・壱岐を結ぶ高速船“ヴィーナス”や韓国・釜山を結ぶ高速船“ビートル”、“コビー”が横を走り賑やかでした。相島では、おそらく津屋崎をホームポートとするヨットがレースをしていたのでしょうか、海上で行き会いました。ファーストホーム争いは最大艇の“May be”とプロセーラー高木裕氏が舵を握る“Humming bird Ⅴ”の接戦となり、“May be”が14:48:45に51秒差で1着となりました。“Little Wing”が16:26:30に16着でフィニッシュしましたが、残念ながら4艇がリタイヤもしくは17:00のタイムリミットに掛かってフィニッシュできませんでした。コース短縮でフルスロットルで「シタエ曽根」に向かい、9時間近く海上で本部船を運営していただいた“Freestyle”の皆さん、本当にお疲れ様でした。
[以下は本部船“Freestyle”のKオーナーのレポートです]
今日のレースはロングの予定。8:30受付開始のため8:00に集合。風が少し弱いなと感じながら受付会場に行き、吉川レース委員長を交えてコースを検討し、コースは「相島時計回り」に決定、長い一日になることを覚悟しました。30分間の受付を終え参加20艇、マークやエアーホーンなどの運営備品を詰め込み、9時すぎにハーバーを出航しました。風を考えるとコースを少しでも短くしたいと思い、いつもより沖合の毘沙門沖にマークを落とし、ラインを作りスタート時間を待ちます。5分前、4分前、1分前と所定の合図を行い、無事スタートかと思った時、ライン沿いを流していた一艇がフラフラとラインを切ってレース海面へ出て行きます。S艇です。そして、スタートの10:00。旗とハンドマイクでリコールを伝えるとS艇からは「えっ〜」とやや怒ったような声。間違いなく出ていましたよ。それも一艇身。S艇はすぐに戻ってリコール解消、急に降り出した雨の中、ウエイポイントのシタエ曽根へ向かって全艇スタートしていきました。初めてヨットレースを見る知人が乗っていたため、少し艇団に着いて見物の予定でしたが、雨が激しくなったためやむなく中止し、能古島へブランチに向かいます。
昼食後、風が上がるらしいとの情報を信じて早めに戻ろうと、13時前には能古島を離れゴールへ向かいます。すると、先頭を走っているであろうレース委員長が舵を握る“May be”より着信、風がなく漂っているとのこと。少し様子を見ながらコース短縮を検討しようとのことになりました。数艇から「風が上がった」、「また落ちた」、「いいスピードで走っている」など様々な情報が入ります。風が落ちた状況から、14時前にシタエ曽根をフィニッシュとするコース短縮を決断、マークを回収し、移動開始しました。移動中は手分けして参加各艇へ電話連絡します。レース中で手が外せないのか殆どが繋がりません。連絡が取れた艇には「コース短縮」を伝え、こちらもシタエ曽根の黄色いブイを目指します。
シタエ曽根に近づくと先頭のMay beとHumming birdが競り合って向かってくるのが見えます。「こりゃ、まずい、間に合わないかも」そんな心配が口々から出ます。風よ落ちろと願いながらフルスロットルで向かいます。しかし、結果はMay beにタッチの差で遅れてタイム取れず、May beにはタイムの自己申告をお願いしました。2着のHumming birdには何とか間に合い、ブイと志賀島の山の一点を見通し線に想定し計測開始です。ここは水深20m以上でアンカーも打てません。ひたすらライン上の位置を維持します。3番手以降の艇はロングにしては団子状態、接近戦で楽しそうにフィニッシュラインを通過していきます。こちらは前後進したり、ニュートラルで流したりと忙しいゴール待機の2時間でした。17時のタイムリミットまでゴールで待機し、小戸に帰港したときは18時を回っていました。
結果的には電話連絡つかずのリタイヤ申告が2艇、無念のタイムアップが2艇となってしまいました。コース短縮の信号旗「S旗」の存在も後で思い出しました。ルール(信号旗)をもっと理解すること、レース中は携帯電話を繋がる状態にしておくことの重要性を感じた一日でもありました。
メンバー5名で勤めた本部艇の一日は何とか無事終了。ハーバーを出て解散したのは19時を少し回った頃でした。レース参加艇、本部船運営メンバー、皆さん本当にお疲れ様でした。
3月20日(日)は2016年HYCシリーズレースの開幕戦でした。約4か月ぶりのレースを待ちわびた20艇の会員艇とオープン参加の1艇の計21艇が海に乗り出していきました。天気は晴れ、風は北寄りで15~18ノット、波は1.5~2mの予報で、開幕戦にしては少々タフなコンディションです。コースは小戸沖から博多湾口の机島を時計回りに回ってくる約12マイルほど。今日の風ならば全体で2時間弱ほどでレース終了となるでしょう。午前10時に受付を終了してレース海面に向かいます。スタート前で16ノット前後の風があり、大型艇では8ノット前後の艇速が出ていますので接触や衝突事故がないように各艇しっかり艇をコントロールしています。最少艇26フィート、最大艇51フィートなのでまともにぶつかると大きなダメージが発生するので、各艇とも見張りをしっかりして慎重に走らせています。51フィートを筆頭に40フィートを超える大型艇8艇が、20フィート近い強風の中を全速でスタートしていくシーンはダイナミックで壮観でした。間に挟まれた小型艇はさぞかし緊張の連続だったことでしょう。
第1レースの本部船は“Bambino”チームに引き受けていただきました。うねりのある強風の海面でアウターマークを打ち本部船をアンカリングしてスタートに備えますが、結構船が揺れているので大変だったでしょう。設定したスタートラインは、風向に対して若干右上がり(本部船側有利)になっていましたが、アンカーの打ち直しも大変なのでこのままスタートさせます。5分前の信号が発せられると、やはり上スタートを狙って本部船側に集まってきます。4分前、1分前の信号が発せられると、本部船からライン中央部分に集中してラインの見通しができない状態になりました。11時ちょうどにスタート信号が発せられましたが、かすかに「長音二声」が聞こえたような気がしましたがはっきりしません。本部船は他のヨットのセールに隠れて見えません。10秒ほどそのまま走って本部船を見ると、しっかり「第1代表旗」が掲げられています。「ゼネリコ」です。ジャストスタートだったのに...と残念に思いながらベア、ジャイブして戻っていきました。前を行く大型艇も次々に引き返してきます。この海況の中を本部船も回答旗(延期信号)を掲げ、根性を出してアンカーを引き上げて本部船の位置を変えています。本当にご苦労様でした。11:12に回答旗が下り、11:13に5分前の信号が発せられました。11:18にスタート信号が発せられ、今度は「オールフェア」でいよいよ2016年第1レースがスタートしました。
通過地点の机島手前の「クタベ瀬黄色ブイ」まではスタボードタックの一本コースとなりスピード競争になりました。これまでのレースでは42フィートの“Humming birdⅤ”が先行するのが常でしたが、レースに本格初参戦の51フィートの“May be”はさすがに速く、ぐんぐんと加速して前に出ていきます。風速も20ノット前後となりMaxで26ノットまで吹き上がりました。黄色ブイの西側を通過して回航ポイントの机島を回ってジャイブ。風が若干東に振れたため帰りのレグもポートタックのクローズドリーチの一本コースとなりました。気合の入った何艇かは無謀にもジェネカー、スピンにチャレンジしたようですが、大半の艇はジブのみでダイナミックなセーリングを堪能しました。12:31:34に”May be”が余裕のファーストホーム。所要時間1時間13分34秒、平均艇速9.8ノット。2着が“Humming bird Ⅴ“、3着が“Second Love”、そして21着”Notari 3”が13:12:31に最終フィニッシュ。26フィートながらそれもシングルハンドでの完走です。平均艇速6.8ノットと大健闘でした。
“May be”は途中でブームバングが切れて応急修理をしたそうですが、その予備のハイテクシートも切れて大変だったようです。51フィートの巨大なメインセールのパワーは半端ないですね。こういう事情で本来の性能を引き出せなかったようです。何はともあれ、スタート時の接触・衝突もなく、深刻な艇体等のダメージもなく無事にレースが終了してほっとひと安心でした。また過酷な本部船運営を担当していただいた“Bambino”チームの皆さん、本当にお疲れ様でした。
[以下は本部船“Bambino”のNオーナーからのコメントです]
まだ少し肌寒い朝でしたが、よく晴れて2016年HYC初戦は いいレース日よりになりました。
昨年までレース受付時間は1時間でしたが、今年から30分短縮して9:30~10:00としましたが、9時過ぎには続々と各艇エントリーに来られ21艇がエントリーしました(オープン参加1艇含む)。初戦から幸先いい感じで良かったです。
9時にメンバーが集合して、マークブイや信号旗などの運営用品をヨットに積み込んで準備完了していたので、受付終了の10時過ぎにはBambinoで出航してレース海面に向かいました。北北東16knot~の風が吹いて白波がちらほらと上がってました。クルーの安全を確保しながらリミットマークを打ち、上に艇を廻しアンカーリング。30ft艇でアンカーリングするとかなり揺れてデッキの上ではしっかり何かを掴んでないと立てない状態でした。マークと見通しを確認すると、本船がかなり高くアンカーラインをギリギリまで伸ばし、風が少し振れましたが予定時刻も迫っていたこともありこれでスタートさせる事を決め、予定通り10:55に5分前の ホーンを鳴らしHYC旗を掲揚。4分前、1分前とカウントダウン。各艇の動きを見るとやはり本船が高いので上有利と判断した各艇が本部船寄りからのスタートを狙って密集してきました。スタート30秒前を過ぎると続々と本船側に艇が集中、5秒前を切った時点で何艇かラインを出ていますが、セールが重なって艇を特定できません。11:00のスタート合図後、ただちに「ゼネリコ」のホーン二声と第1代表旗を掲げる。強風下だったのでホーンが聞こえてない艇もあった様子。その後ゼネリコ旗を下して回答旗を上げ、即、「ライン打ち変え、アンカー上げろ!」。強風下、波でバウはかなり揺れて作業は難攻。クルー2人でアンカーを上げ、艇を廻して再度アンカーを打ち見通しの高さを確認。「回答旗下して1分後に5分前予告信号上げるぞ」。波で艇が凄く揺れる中、クルー全員作業をテキパキとこなしてくれて11:18に2回目のスタート。全艇オールフェアー、今度はうまくスタートできました。
風速は16~18knot、 あっという間に船影も小さくなって「先頭艇は1時間チョットで帰って来るぞ!」フィニッシュに備えてアンカーを上げ、ラインを短くしてアンカーリング。チョットだけ落ち着いた艇上でクルーに「お疲れ、みんな大丈夫や!」。するとクルーの1人が「すみませんチョットやばいです」、「え、お前何時から船酔いしとうとや」、「海上に出て直ぐからです」。はははっ、一同に笑いが出ました。そうこうする内にトップ艇が見え始めました。艇種が変わった51フィートの“May be”が1番でフィニッシュ。所要時間1時間13分、お見事でした。その後も続々と各艇フィニッシュして、最後の艇も2時間かからずにあっという間にレース終了。波で激しく揺れる中アンカーを上げてマークをピックアップ。クルーみんなの働きのお陰で無事運営を終えました。「お疲れ様でした、みんな ありがとう」。 - Bambino 沼田浩行-
2015年11月15日(日)の第10レースは今季最終戦で“麻里絵”チームに本部船を担当していただきました。Yオーナーの友人の“Dragon Queen”Kオーナーが、本部船は自分のヨットを出していいよとのことで、運営メンバーは“麻里絵”メンバーが2人乗り込みKオーナーと一緒に本部船を運営し、“麻里絵”自体はレースに参戦しました。天気の予報は曇りから晴れでしたが、朝8時頃に急に空が暗くなって雨が降り出しましたがすぐに降り止み、空には晴れ間も出てきました。風の予報は北~北北東、4~8ノットと、11月としては少し弱いようですが晩秋の穏やかな博多湾での今季最終戦、セーリングを楽しみましょう。
8時過ぎには本部船メンバーが集合し、吉川レース委員長と相談のうえ、博多湾口の机島を時計回りに回航するコースに決定。マークブイや信号旗などの運営用品を本部船に積み込み、9時からのレース参加受付に備えます。今季最終戦で天気もまあまあということで9時半には20艇が受付を済ませ、最終的に22艇の参加となりました。今日は先日新しい艇(sprint51)になった“May be”が初めてセールを上げてテストセーリングを兼ねたレース参加ということで、その走りに注目です。
10時過ぎに出港してスタートライン設置に向かい、リミットマークを打ったところで何やらトラブルのようです。どうやらマークのアンカーラインが船外機のペラに絡まったようです。なんとか解消して本部船のアンカリングポイントに向かい一旦はアンカーを打ちますが、22艇の参加に対してスタートラインが短かったようで、アンカーを打ち直してラインを伸ばしました。なかなか風速が上がらず艇速も出ないので各艇苦労しているようです。10:55分に予告信号が発せられ、10:56に準備信号、そして11:00にスタート信号が発せられました。しかしながら1分前くらいからスタートライン上に多数のヨットが並び、明らかにラインから出ているヨットもありますが風が弱いため戻るに戻れない状況で、おまけにライン上にセールが重なって本部船からリミットマークが見通せない状況になったため、やむなく今季初めてのゼネリコの信号が発せられました。通常だとゼネリコの場合は10分後に再スタートですが、風が弱くて再スタートの体制が整わないとの本部船の判断で、20分後の11:20に次のスタートになりました。この判断が見事に的中して徐々に風速が上がり出し、再スタート時には6~8ノットとなりオールフェアで今季最終戦の幕が切って落とされました。机島まではスタボードタックのクローズホールド、島を回航してからは風が若干東に振れてポートタックのクローズリーチ、ぎりぎりジェネカー、スピンが上がらない状況でしたが、その内風が後ろに回り、待ってましたとばかりに各艇からジェネカー、スピンネーカーが次々に上がっていきます。風速も10~15ノットに安定し、青空のもと最終戦に相応しい豪快なセーリングを堪能しました。トップ艇が12:55:49にフィニッシュし、順風の中、後続艇も続々とフィニッシュし、最終艇が13:51:39にフィニッシュして全体で2時間ほどで無事に最終戦が終了しました。
今日は、たまたま前日から博多港に初めて入港していたセールトレーニングシップ、帆船“みらいへ”(1993年に大阪市が建造した全長52m、230トンの3本マストスクーナー、旧“あこがれ”)が招待客を乗せて博多湾内をセーリング中で、HYCレースを観戦のためコース途中で停船してレース参加艇に盛んに手を振ってエールを送っていただきました。HYCレース史上、帆船から声援を受けるのは初めてのことで、参加艇のクルーも普段以上の力を発揮していたようです。
今日が初セーリングとなった“May be”は、艇の状態を確認するとともに艇の大きさに慣れるためかヘッドセールは№3ジェノア、巨大なジェネカーも上げずにマストの状況やシーティングアングルの確認などを行っていました。さらには帰りのレグではサービス精神を発揮してわざわざコースを外れてレース観戦中の帆船“みらいへ”近付いて行き、乗船客からやんやの喝さいを浴びていました。
2015年シリーズは4月の第2レースだけ時折り小雨模様でしたが、それ以外は雨にも会わず天候には恵まれました(全般的に風が弱い状況でしたが)。何よりもレース中の事故も無く、それぞれにレースを堪能されたことと思います。レースに参加された皆様、一年間本当に有難うございました。来年もまたレース海面でお会いしましょう。
[以下は“麻里絵”のI氏からのコメントです]
11月15日、麻里絵として昨年に引き続き2回目の本部船運営をさせていただきました。今回はMETAXA のMオーナーと当方Yオーナーの話で本部船はMETAXA使ってもいいよとの話でしたが同席していた“Dragon Queen”のKオーナーが自分のヨットを出しましょう。そして待っている間に「洋上牛シャブ」でもしましょうということで話がまとまりました。クルーのIさん、そしてカメラマンのMさん(本職は内科医)に同乗していただきました。
15日朝8時頃は西の風でした。いつものように倉庫「箱次郎」と博多ヨットクラブの船具箱から運営物品を運び出します。クラブハウス2階で受付しながら、緊張のためか「西陣クリニック」などと誤記した領収書を出してしまいました(ごめんなさい)。
10時過ぎには東の風となってきました。船外機にマークロープが絡んだか、みたいなトラブルがありましたが何とかクリアー、麻里絵チームは沖でスピンあげて練習中でした(助けも呼べない状況でした)。11時00分、最終戦のためかどこもイケイケモードです。スタートラインを見ながら、出てる、出てる、出てるコールの連続で、セールの陰に隠れてリコール艇の全艇が確認できなかったので結局はゼネリコにしました。本部船運営マニュアルでは10分後再スタートとなっていますが、微風のためスタートラインに戻れない艇が数艇あり、20分後の11時20分に再スタートと決めさせていただきました。一応ハンドマイクで各艇にお知らせ、風も少しは上がってレース艇もチョコチョコ動くことが可能となりました。
2回目のスタートは見事にオールフェアーでのスタート、6~8ノットの風で最終戦にふさわしいコンディションになりました。机島時計回りですのでこの風なら2時間ちょっとの雰囲気でした。Kオーナーと12時くらいから鍋も開始とのことで、ぼちぼち準備に取り掛かります。お肉は前日よりロースと赤身を1キロほど準備していました。私の右手は揺れる船上でも常に鍋の取っ手から外しませんでした。牛肉も美味しいし、野菜も美味しかったです(船の上だから?)。Mさんはファインダーを覗くため、ちょっと食べることはできないとのこと、3人でゆっくり鍋をつつかせていただきました。
12時半過ぎに沖合に青赤のジェネカーが見えてきました。どうやらHumming bird Ⅴのようです。12:55に1着でフィニッシュし、7分後にMALOLOが2着フィニッシュ、8分後にFreestyleが3着でフィニッシュすると、10ノット前後の風の中、後続艇が次々にフィニッシュするため悔しいけれど「鍋」は一旦中止してフィニッシュのタイム取りに専念します。13:51に最後のHappy Holidayさんのフィニッシュを見届けさせていただき、14時前には無事にレースが終了しました。長年レースに参加させていただいていますが、本部船を運営するとレースを違う面からクールに見ることができます。スタートさせた後は時間があるので今回は牛シャブでしたが、潮風を感じながら料理に集中することもできます。来年も是非運営に参加することを誓って、「Kオーナー、来年は鯛シャブでもしましょうか?」ハーバーに帰港して運営用品などの片付けを済ませ、鍋もパート2でMさんも食事をとり、しっかり締めのうどんまでいただきました。皆様、12月19日の表彰式で再会しましょう。次年度もよろしくお願い致します。
2015年10月18日(日)の第9レースの本部船は“Little Wing”さんでしたが“May be”さんが引き受けていただきました。艇はYAMAHA31Sの“Sarah”を借りての運営です。今日は「湾外コース」の予定で、「相島回航」は当日の気象条件(風が弱い)により2013年5月の第3レース以降実施できていなかったので、そろそろやりたいなとの思いから通常11時のスタートを1時間繰り上げて10時スタートとして「相島時計回り回航」のコースに決定しました。気象予報では北寄りの風、朝の内は2~4ノット、昼前頃から8~10ノット、夕方には風が落ちるだろうとのことで、夕方5時のタイムリミットまで7時間、直線距離で全行程27マイルほどですので何とかレースは成立するとの判断でした。万一トップ艇がフィニッシュできないような状況になればコース短縮も考えていました。レース参加受付時間も1時間早めて午前8時~9時としましたが、事前に会員艇オーナーにメールで周知するとともにHYCホームページでも告知していたので特段トラブルもありませんでした。今回は会員艇16艇とオープン参加1艇の合計17艇が参加です。
ハーバーの沖合にはすでに「海苔網」が設置されているので(来年3月まで)、大きく迂回して海苔網の北海面にスタートラインを設置します。空は秋晴れの快晴、波はほとんどなく絶好のセーリング日和ですがもう少し風が欲しいところです。風速計では2~4ノット。
1分前には各艇スタートラインに並んでいきますが思うように艇速が伸びずに大混戦の様相を呈します。10:00丁度にスタート信号が発せられ、続いて長音一声が発せられたのでリコール艇があったようです(長音二声だとゼネラルリコール、再スタート)。ジェネカーやスピンを上げる艇もありますが風が弱くて安定しません。また風向も定まりません。玄界島、志賀島方向の沖合いは海面が黒くなっているのでその内風も入ってくるでしょう。スタート1時間後くらいには風速が「0」になり海面も鏡面のようになってしまいましたが、いずれ沖合いの風が届いてくるでしょうからそれまで我慢の走りが続きます。そよそよとやっと弱い風が入ってきました。通過ポイントのシタエ曽根方向から吹いてくるので、スタボードタックで受けて西海面に伸ばす艇。反対にポートタックで受けて東海面に伸ばす艇に分かれます。トップ集団は西に伸ばしていきますが潮の影響で東に伸ばした艇が若干有利だったようです。「シタエ曽根浮標」近くでは風速も8ノット前後にまで上がりやっとレースらしい雰囲気が出てきました。回航地点の相島まではポートタックのクローズホールド一本になってしまったので、大型艇やレーティングが高い艇がじわじわと前に出ていきます。相島を回航してからはスタボードタックのアビーム、ジェネカーやスピンが花開き風速も10~13ノットに上がって豪快なセーリングが続きます。
14:49:48に“Humming bird Ⅴ”が1着でフィニッシュし後続艇も次々にフィニッシュしました。10着の“Le Grand Bleu 3”がフィニッシュした後に風が落ちて後に続く参加艇は相当苦労したようです。16:34:57に14着でフィニッシュした“HIRO”の後は結構距離があり風も落ちているのでタイムリミットが微妙なところです。17:00ちょうどにタイムリミットのホーンを鳴らしアンカーを上げて撤収に掛るところですが、すぐそこにシングルハンドの“Notari 3”がこちらに向かってきているので忍びなく、そのままフィニッシュライン通過を迎えました。わずか45秒足りなかっただけです。残念ながら後の2艇もDNFとなり7時間本当にお疲れ様でした。また本部船の“May be”チームの皆さんもタイムリミットまで海上での長時間待機、本当にご苦労様でした。2年半ぶりの相島回航レースでしたが全艇フィニッシュできなくて残念でした。
[以下は“May be”のYオーナーからのコメントです]
今回は都合により“Little Wing”の代わりに本部船を務めました。久しぶりの「相島」ということでスタート時刻を繰り上げてもどうにかロングを走ってもらいたい一心でした。スタートは微風のせいもありリコールも数艇ありましたがほとんど解消して走り去りました。途中から風も上がり楽しいレースが出来たと思います。事故もなく無事に終わりましたが終盤に風が落ちてしまい3艇がDNFとなり残念でした。特に“Notari 3”はラインを切ったのが17時00分45秒と僅か45秒届かずにホントにホントに気の毒でなりませんでした。 May be 吉川啓二
2015年9月20日(日)の第8レースは“HIRO”チームに本部船を担当していただきました。今日のメンバーはSオーナー以下5人で、中学生の子供さんがお母さんと一緒に参加です(お母さんは25年来のクルーだそうです)。音響信号(フォグホーン)の担当をするそうです。今日はシルバーウィークの真中、秋晴れの爽やかな天気に恵まれました。レースは「湾外コース」の予定で、2年前の5月の第3レース以降「相島回航」を行っていないので久しぶりに相島といきたいところですが、予報では北の風で6~14ノットと少々風が弱いようです。相島を回ると最短で26マイル、20ノット近くまで吹いた前回は大型艇で5時間ほど、小型艇で6時間21分かかったので小型艇にはちょっと厳しいかもしれません(今日はスタート11時、タイムリミット17時の設定)。本部船運営メンバーと吉川レース委員長と相談の結果、玄界島→長間礁を反時計に回る全長21マイルのコースに決定しました。
HIROメンバーは二手に分かれてクラブハウス2階でレース参加受付の準備とマークブイや信号旗などの本部船運営用品を船に積み込みます。午前9時から受付を始め10時の終了時点で13艇の参加がありました。シルバーウィーク連休の影響もあったのでしょうか、常連さんが何艇か欠席でした。10時過ぎにはレース参加艇も出港して、さっそくセールを上げて風や潮の状況をチェックしてスタートに備えています。出港時には4~5ノットの弱い風でしたがスタート時刻の11時近くになると6~8ノットに風速も上がり、午前11時に参加全艇がリコールもなくきれいにスタートして博多湾口に浮かぶ玄界島を目指していきました。玄界島東端まではクローズホールドで、何回かタックを繰り返しながら島を交わし、沖合の長間礁まではスタボードタックのクローズリーチとなり、途中から風速も上がって10~14ノットの順風となって大型艇が順当に前に出ていき、折り返しの「長間礁」を“Humming bird Ⅴ”、“MALOLO”、“May be”、“麻里絵”の順で回航していきます。博多湾口まではポートタックのクローズリーチでスピン・ジェネカーがぎりぎり上げられない風だったので、20°近くベアできるようになると各艇から一斉にスピン、ジェネカーが上がり、14~16ノットの風の中をフィニッシュライン目指して豪快な走りを堪能しました。
13:52:30に“Humming bird Ⅴ” が1着でフィニッシュ、2着と3着は手に汗握るデッドヒートの末“MALOLO”が1秒差で逃げ切り14:00:05でフィニッシュ。また7着、8着も1秒差の接戦を演じて“Free style”が“Le Grand Bleu 3”を振り切りました。15:14:26に最終艇の“Notari 3”がフィニッシュして無事にレースを終了しました。
[以下は“HIRO”のSオーナーからのコメントです]
当日は晴れ、風もそこそこのレース日和、湾外レースということでコースは玄界島~長間礁を反時計回りということになりました。NNE 5knt以下の微風の中Start Lineがなかなか決まらず、おまけに風見がくるくる回り始める始末で、こんなもんだろうと船を泊めてLineを決めました。加えて、潮が北方向に少し流れていたようで、後進を少し掛けながら船が反対方向に向かないで、アンカーラインが張るよう苦労。それでも皆さんのおかげできれいなStartをしていただき、ご協力感謝。11時オールフェアで一斉にスタート、何故か2分半遅れで出た艇もありましたが・・・。
さて、いよいよフィニッシュです。ジェネカーランのぶっちぎりで1着が2時間52分でゴール、本部艇をめがけて走ってくるヨットが海面をかき分ける様が凄い迫力です。2着と3着がこれまた凄いデットヒート、なんと1秒差のゴールです。フィニッシュ前にジェネカーのジャイブで、思わずブローチングなんてこともあった様です。また、7着と8着でフィニッシュした艇も1秒差のゴールでした。ジェネカーランでスピードが出てますし、これまた凄い迫力です。フイニッシュ後お互いの健闘をたたえて拍手をしていたのも印象的でした。
最後は、いつもほとんど一人でレースに出て頑張っておられる艇でしたが、「お待たせしました。お疲れ様」ということで、参加全13艇が3時過ぎに無事フィニッシュしレースを終了しました。今回、凄いスピードで海をかきわけて走ってくるヨットを正面から見ることができたり、1秒差のデッドヒートを間近かで見ることができたのは本部艇ならではの醍醐味でした。
今日はレースの参加受付をしているクラブハウスで、JORDAN山田氏、Humming birdの酒井氏と、我々の付き合いは25年いや30年だよと昔話をした後、本部船上で皆さんのFinishを待ちながら昔々のことを考えました。海の中道マリーナで酒井氏(当時ハーバーマスター)がレースを始めようと言い出し、当時、海ノ中道に船を置いていたJORDAN、Second Love、バサラ、私、近くの港から参加のJ-24 の5艇で始まりました。JORDAN、Second Love は急成長、バサラはRetire、近くの港からのJ24の消息は不明、私はクルージングボートで後ろを走っています。 本当に時間の経つのは早いもので、当時青年だったみんなが年相応のおじさん(年金世代)になっていました。ヨットレースの原点、あっという間の30年を思い出した一日でした。