本部船運営記。2020年第10レースは“麻里絵”チームでした。
11月15日(日)は2020年シリーズレースの最終戦でした。今年は新型コロナや台風、強風で4レース中止となり、先行きの見えない新型コロナ感染の脅威から今年は年間表彰を行わないことにしました。終息の兆しもありましたが、この時期にきて感染第3波が起きて心配でなりません。また気象も11月中旬というのに9月下旬から10月上旬の温かさとなり、レース当日も25℃の陽気となりました。
予報では快晴で南東のち北北西の風、2~6ノットの微・軽風で、おまけに大潮ということもあり、潮の流れを気にしながらの難しいレースとなりそうです。今日の本部船は“麻里絵”チームさんです。マークブイや信号旗などの運営用品は前日土曜日に船に積み込み、8時過ぎにはメンバーがクラブハウス2階に集合して参加受付の準備。9時から受付を始め、10時の締め切りで19艇の参加がありました。今日は特別に兵庫県の新西宮ヨットハーバーから、関西ヨットクラブの”SUMMER GIRL”(SWAN 42)がオープン参加。JAPAN CUP(全日本外洋ヨット選手権)を何度も制覇した実力チームが、HYCのような地方レースに何故参加?でも光栄なことです。全日本トップクラスの走りを見せていただきたいと期待一杯ですが、残念ながら今日は風が弱くて実力を存分に発揮できないのではと心配です(もしかするとノーレースになるかも)。コースは「クタベ瀬ブイ 時計回り」とし、スタートラインを沖合に設定して距離は約10マイルに決定。
海上に出ると波はなく、南東の風で風速は2~4ノットほど。風が弱く大潮なので潮の流れを読みながらの難しいスタートになるでしょう。本部船がスタートラインを設置すると参加各艇もセールを上げて海面の状況を確認しながらあちこち走り回っています。
スタートは11:00。10分前くらいに風向が変わって北東の風となり、風速も少し上がって3~4ノット。艇速も2~3ノット出るようになり何とかスタートできそうです。10:55に5分前の予告信号が発せられ、4分前に準備信号が発せられると各艇スタートラインの位置取りが始まり、2分間前にはラインに向かってアプローチ開始。11:00のスタート信号とともにレーススタート。同時に本部船から長音一声が発せられX旗が上がりました。リコール艇が2艇あったようです。微風のリコール解消は時間がかかって大変です。
回航ポイントの「クタベ瀬ブイ」までは距離5マイル、スタボードタックのクローズホールド~クローズドリーチ。風速は4~5ノットと弱く我慢の走りが続きます。40~50フィートの大型艇はさすがにじわじわと前に出ていきます。
回航ポイント手前で、先行する大型艇団が止まっているようで、後続艇がじわじわと差を詰めていきます。先行艇団のセールは風を張らんでいますが、風が弱く(2~3ノット)、セールの前進力と湾内に押し戻そうとする潮流が釣り合ってまったく止まっています。ここはひたすら我慢しかありません。先行艇団の状況を見た後続艇は、比較的潮流の影響が少ないだろうと西海面の岸寄りにコースを取って何とか追い付こうと頑張ります。この選択が見事に的中し、このコース取りをした後続の32フィート艇がトップ回航するという大番狂わせが起きました。
なかなか前に進まない状況に緊張の糸が切れて半数近くが無念のリタイヤ。50フィートの“K.CONTESSA 風と虹”、関西から参加の“SUMMER GIRL”もここで無念のリタイヤ。その後風速も少し上がってきて5~8ノットになり、ひたすら我慢して粘って回航した各艇からジェネカー、スピンが上がり始めました。大型艇は徐々に艇速を増して前に出ていき、15:17:32に42 フィートの“Humming bird”(ロッドマン42)が堂々のファーストホーム。2番手は13秒遅れで15:17:45に40フィートの“Second Love”(Farr 395)がフィニッシュ。3番手は15:22:20に40フィートの“MALOLO”(BENETEAU FIRST 40)がフィニッシュ。最終艇は“SIESTA”が16:24:53に9番手でフィニッシュ。修正では回航ポイントをトップで回航した“ZEPHYRUS”(FS 32)が見事に優勝。おめでとうございます、そしてお疲れ様でした。参加19艇中10艇がリタイヤ、またはタイムリミットに間に合わず、非常に疲れるレースでした。
HYCでは年間10レース行い、今年は4レースが中止となりましたが、実施できた6レースは事故もなく無事に終了することができました。参加された皆さん、本当にお疲れさまでした。来年は新型コロナも終息の兆しとなり、年間10レースが実施できますことを願っています。本部船を運営していただいた“麻里絵”チームの皆さん、17時のタイムリミットまで長時間、お疲れさまでした。ありがとうございました。
[以下は本部船“麻里絵”のレポートです]
第10戦11月15日の湾内レースの本部船は麻里絵担当でした。天気は晴れで風は全然ありません。メンバーは、男性3名女性1名にて運営しました。まず、9時からクラブハウス2階でレース参加受付を開始。コースはクタベ瀬浮標時計回りとなりました。コース図の右下には、本部船連絡先の欄には私の携帯番号が書かれていました。参加艇は受付終了後、コース図をスマホで撮りポンツーンへ。受付は10時に締め切り、2020年HYC第10レースの参加艇は19艇でした。
受付事務が終了後ポンツーン向かい、すぐに出港。風が弱く、スタートラインは通常位置よりもかなり沖合に設定しました。リミットマークを打ち、クラブ旗、P旗、リコール旗、ゼネリコ旗、虎の巻の本部運営マニュアルを準備し、スタートの手順を確認しました。
10時55分に5分前の予告信号HYC旗UP、56分に4分前の準備信号P旗UP、59分にスタート1分前P旗DOWN、風がないためスタートラインでは各艇がせめぎあっていました。スタートHYC旗DOWN、リコール艇が2艇出ました。リコール旗UP、ハンドマイクでリコール艇へ呼びかけ、2艇ともにリコールを解消しスタートは無事終了しました。
スタートが終了するとゆっくりお弁当を食べ、のんびりしていると、13時過ぎに1艇からリタイアの連絡が入りました。次々とコース図の右下の連絡先へリタイアの連絡が入り5分間に5艇のリタイアの連絡が入りました。クタベ瀬浮標あたりでは、どういう状況だったのでしょうか。ファーストフィニッシュは、15:17:32にHumming bird Ⅴでした。次に13秒後にSecond Loveでした。フィニッシュしたのが9艇で、リタイヤが9艇、タイムリミットにぎりぎり届かなかったのが1艇でした。タイムリミットの17時にマークを回収し、本部船の長い1日が終了しました。 黒田成孝(麻里絵)