博多ヨットクラブでは、日頃クルーザーに触れ合う機会がない子供さんたちにヨットの楽しさを肌で感じてもらい、若いセーラーが育っていくことを期待して体験セーリングを実施しました。福岡市ヨットハーバーが実施する子供さんや親子向けのヨット教室などへの参加者を対象に、クラブとして積極的に協力していこうというものです。
7月2日(土)は福岡市西区壱岐校区の子供会さんからの依頼で、小学生を中心に45名(引率の親御さん10名含む)が集合し、ハーバー職員から乗船にあたっての注意事項を聞いて、協力していただく各ヨットの船長さんの紹介の後、各ヨットに乗船しました。クラブからは“Spilmer”、“ZEPHYRUS”の2艇が協力し、他にハーバーが手配した2艇の合わせて4艇で10:30には海に乗り出していきました。
当日は一時雨の予報もありましたが、幸いにも夏の日差しが時折り顔を出し絶好のセーリング日和りとなりました。しかしながら20ノット前後の西寄りの風が吹いていたため、行き返りともアビームの風を受けるように能古島北側の象瀬をぐるっと回ってくるコースにしました。それでもブローで29ノットまで吹き上がり、メインセールのみでも大きくヒールした時には子供たちからワーワー、キャーキャーの歓声が飛び出し、本当に楽しそうにしていました。風でヨットが大きく傾いたときにはちょっぴり怖い感じもありましたが、それでも安定して前進するヨットの不思議を経験し、大きな波が来たときにはスプレー(波しぶき)も浴びてヨットの醍醐味を十二分に体感して12時前には全艇無事にヨットハーバーに帰港しました。
夏休みに入ると福岡市ヨットハーバーでは子供さん向けの事業が目白押しなので、博多ヨットクラブとしてもできる限り協力していく予定です。会員艇のオーナーの皆さん、ご協力をよろしくお願いします。
6月19日(日)の第4レースは“Little Wing”チームに本部船を担当していただきました。今日の天気予報は午前中は雨模様で、南寄りの風、8ノット前後ということでしたが、未明まで激しく降っていた雨も朝には降り止み、まずまずの天候です。8時半過ぎには本部船メンバー、レース委員長もハーバーに到着し、今日のレースコースの決定、本部船への運営用品の積み込み、9時半からの受付準備を済ませます。コースは博多湾口の机島そばの「クタベ゙瀬・黄色ブイ」時計回りに決定。10時の受付終了で20艇(内オープン参加1艇)が参加です。
出港準備を終えた参加艇と本部船が次々と出港していきます。風は西の風となり6ノット前後、うねりもほとんどなくまずまずのコンディションです。通常よりやや沖合いにスタートラインが設置され、各艇ウォーミングアップで海面を走り回っています。スタート前には風が若干北に振れ(西北西)スタボードタックでラインを流してもギリギリラインを切れない状況となったため、スタボードタックのクローズホールドでライン沿いを流し、スタート信号と同時にタックしてポートタックで出て行くか、タイミングを計ってポートタックでアプローチしてラインを切るか悩むところです。スタート2分前には多くの艇が本部船寄りからスタボードタックでラインにアプローチし、何艇かはポートタックでアウターマーク寄りからのスタートを狙っています。午前11時ちょうどにスタート信号が発せられ、リコール艇が1艇ありましたが(リコール解消)きれいにスタート。風速も若干上がりそうな気配で、意外と早いレース展開になりそうです。
回航ポイントの「クタベ瀬・黄色ブイ」までの往路では、気まぐれな風に翻弄されました。10ノット近く吹いたかと思うと4ノットまで落ち、いきなり90度風向が変わるなど各艇苦労していましたが、復路では風も安定して10ノットオーバー、ブローで18ノットまで吹きました。スタボードタックのビームリーチ~クローズリーチで、ジェネカー艇は安定した走りをしていましたが、スピンネーカーを上げた艇の中にはブローチングしていた艇もあり、なかなかダイナミックなレースになりました。
参加艇中最大の51フィートの“May be”が12:24:57に1着でフィニッシュ。2着以降も安定した走りで次々とフィニッシュし、13:23:51に最終艇がフィニッシュして無事にレースを終了しました。修正1位は3着の“Suru Sumi”さんでした。今日は雨の中でのレースを覚悟していましたが天気の回復が早く、オイルスキンを着ることもなく、セールも濡れずに快適なセーリングが楽しめました。
[以下は本部船“Little Wing”Oオーナーからのレポートです]
“Little Wing”艇としては2年振りの本部船運営となりました。前回の第3レース終了直後より、クルー全員で「HYCレース本部船運営マニュアル」を共有し、各自あらためて読み直し、イメージトレーニングを行いレース当日を迎えました。心配は天候でしたが、おおかたの予報に反して雨も上がり、夏のレースらしいコンディションとなりました。事前ミーティングでは、各自の役割分担確認を繰り返し、いつものレース以上に気合いを入れていざレース海面へ。リミットマークを設置し、マニュアルに従ってスタート手順をひとつずつ消化していきました。
さあ、いよいよスタートです。“JORDAN”さんにフライングが認められた為、ただちにリコールの宣告を行いました。本部船クルーの間に一瞬にして緊張が走ります。シモ側からのスタートのJORDANにリコールが聞こえてるかな?それで拡声器で何度も呼びかけました。もしかして聞こえてないかな?と思った瞬間、背後からクルーの1人が拡声器より馬鹿でかい声で一声を発しました!みなさんがこちらを向いたので、大変有効だったかと思いました (笑)“JORDAN”さんの実に真摯な対応により、まもなくリコール解消。なんとか無事にみなさんを送り出す事が出来ました。その後、風も上がり、レースはスピーディな展開に。昼食もそこそこに、すぐさまフィニッシュの準備にかかります。本部船の醍醐味は、何と言っても普段なかなかゆっくり見ることのできない他艇のクルーワークやコース取りなどを、じっくり見ることができる所にあるかと思います。スタートで緊張した分、フィニッシュではその醍醐味を十分に味わうことが出来ました。心配された天候もレース終了まで持ちこたえ、エキサイティングなレースになったかと思います。レース以外でもチームワークは大事ですね〜さあ次回のレースは頑張りますよ。参加艇のみなさん、お疲れ様でした! ⛵リトルウィング
プロセーラー高木 裕氏のセーリング講習会、第3回目の今年は6月12日(日)に開催しました。今年のテーマは「セールトリムの実際」で、陸上での座学と海に出ての海上実技講習で、上・下マークを設置してソーセージコースを周回し、その走りを見ながら高木氏からセールトリムのアドバイスをしていただきました。またセールのセッティング状況を写真撮影し、午後からの座学では各艇ごとに細かいアドバイスをいただきました。
参加艇は、JORDAN、Little Wing、May be、SIESTA、ZEPHYRUS、いそしぎ、翔風と、メンバーの都合で自艇を出せなかったFreestyle、METAXA Ⅴ、Notari 3、Second Love、Tropicarna、麻里絵、本講習会の開催を人伝に知ったHYC会員外の今津港に係留のホクレア、アルタイルの15艇45名の参加がありました。当日はあいにくの雨模様でしたが、参加者は雨にも負けずにしっかりヨットを走らせていました。
10:00からクラブハウス2階の会議室で、主催者の博多ヨットクラブ山田会長の挨拶のあと、さっそく高木講師からセールの種類やメインセールやジブセール、スピンネーカーのトリム、ブームやトラベラーの調節、マストベンドとドラフト量、カニンガムやアウトホールの調整、テルテールの見方、サギングの調整など、セール調節の基本的な項目を分かり易く解説していただきました。
午前中の座学を終え11:00には海上実習のため各艇出港していきます。当日はパラパラと小雨交じりの天候でしたが、安定した東の風7~8ノットと海上実習には最適なコンディションでした。練習しているディンギーを邪魔しないように上・下のマーケを打ち、各艇は普段のセッティングで反時計回りでマークを周回します。高木コーチが乗るコーチーボートが帆走している1艇、1艇の後ろに付き、メインシート・ジブシートの引き込み具合、ブームの位置、トラベラーの位置などを細かくチエックして必要なアドバイスを与えます。アドバイス通りに調整すると、あら不思議!艇速が確実にアップします。なるほど、こうやるんだと納得です。これまでのレースでは随分と損な走り方をしていたんだなと反省しきりです。
海上実習を2時間ほど行って13時過ぎにはハーバーに帰港して、艤装解除、昼食を済ませて、14:20から午後の座学です。海上で高木コーチが撮影した各艇のセールの状況の写真を見ながら、リーチが詰まりすぎ、ブームが若干風下に落ちている、ジブセールとスプレッダーの間隔が空き過ぎている、ジブリーダーの位置が前過ぎなど的確に指摘していただき、自艇の帆走状態を外から見ることがないのでとても勉強になりました。次のレースでは今日の成果を発揮して必ず前に出るぞ!
HYC第10レースは11月の第3日曜日、20日(日)に開催予定でしたが、すでにご承知の通り、世界最高峰のヨットレース「2017年アメリカスカップ」の予選大会である「2016ワールドシリーズ」第9戦が、アジアで初めて、それもここ福岡の地で11月18日(日)~20日(日)の日程で開催されることになりました。ベースキャンプが小戸ヨットハーバー、レース海面が地行浜ということで、HYC第10レースの開催が困難になりましたので、日程を変更いたします。
第2日曜日の13日(日)は「福岡マラソン」が開催され小戸公園前の道路が交通規制になるため(8:20~10:20)、第4日曜日の「27日(日)」に開催することにしましたので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
恒例の「壱岐レース」が近付いてまいりました。昨年は、安全性等を考慮してスタート時刻を「午前4時」にしましたが、風に恵まれずに微風・無風に大いに悩まされました。
今年はスタート時刻をさらに1時間繰り下げて、7月17日(日)「午前5時」スタートにしていますので、お間違えの無いようにお願いします。また、タイムリミットにつきましても、例年「午後6時」としていましたが、本部船への負担等を考慮して「午後5時」とさせていただきます。なお、前日にレース参加受付、艇長会議を行いますので、参加される艇は必ず出席していただきますようお願いします。
7月16日(土)16:30~17:00 レース参加受付、17:00~ 艇長会議
場所は、福岡市ヨットハーバー クラブハウス2階 クルーザーオーナーズラウンジ
ヨットの話題とはちょっと逸れますが、皆さんご存知でしたか。「2016年ライオンズクラブ国際大会」が6月24日(金)~28日(火)に福岡で開催され、世界205の国・地域から約25,000名(うち海外約15,000名)の人たちが訪れます。26日(日)に福岡ヤフオク!ドームで開催される大会総会(10:00~13:00)終了後に、「ブルーインパルス」の編隊がヤフオク!ドームの上空を通過します。経路や正確な時間は分かりませんが、ヤフオク!ドーム沖の博多湾をのんびりクルージングしていると「ブルーインパルス」の華麗な編隊飛行が間近で見られますよ。
2017年に開催される第35回アメリカスカップの予選である「ルイ・ヴィトン・アメリカスカップ・ワールドシリーズ」の第9戦が福岡市で開催されることが正式に決定しました。日程は11月18日(金)~20日(日)。アジアで初の開催となるヨットレースの世界最高峰の戦いが博多湾で開催されるなんてまるで夢のようです。日本代表艇の「ソフトバンク・チーム・ジャパン」の勝利に期待しましょう。
博多湾をベースに活動する3つのヨットクラブ、玄海ヨットクラブ(GYC)、福岡ヨットクラブ(FYC)、博多 ヨットクラブ(HYC)が合同で福岡市ヨットハーバー管理事務所の協力を得て5月8日(日)に「クルーザー安全講習会」を開催しました。今年で3年連続3回目の開催、加えてゴールデンウィークの最終日ということも影響したのか参加者は若干少なめ。しかし、見かけない方が参加されているようで(私が知らないだけかもしれませんが)、安全に対する意識が広がりを見せているのかも知れません。クルーザーのオーナー、クルーの皆さん37名(内、HYC会員艇14艇)が参加されました。開講に先立ち、主催者を代表して玄海ヨットクラブの久芳副会長から挨拶がありました。
講習会午前の部はお馴染み、JSAF日本セーリング連盟外洋安全委員会の大坪委員長から「クルーザーの安全対策について」と題しての講話です。3回目ということで最初は「落水しないこと」のおさらいからはじまりました。セーフティーラインの色々なフック形状や各々の特性、そして使用方法。説明の中で「トップセーラーがバウ作業をするときに、両手で作業したいからセーフティラインを使って身体をしっかり固定する」との話がありました。確かに揺れるデッキ上でのバウマンの動きを後ろから見ているとヒヤヒヤです。うちのバウマンにもいつもハーネスとセーフティーラインを装着するように伝えたいと思います。
次のテーマは落水の準備(?)と対処方法。先ずはライフジャケット。ライフジャケットもいろんな種類があり、それぞれ浮き方が異なります。「出場するレースによって使用するライフジャケットを選ぶ」ことは昨年も話がありましたが、今回はビデオ映像を見ながら実際の浮き方の違いについての説明がありました。低体温症対策として頭部をすっぽり覆い、自分の吐く息で体温低下を防ぐタイプや身体をしっかり浮かせるものなど、映像で見ると一目瞭然です。大坪委員長のようにレースや海域による使い分けも一つの方法かも知れませんが、高性能なライフジャケットをひとつ持つことも自分にとっての得策ではと思いながら映像を見ていました。また、二人以上での落水なら水の中での“密着”も低体温対策には有効だそうです。水中での押しくら饅頭です。これも映像で紹介されていました。なにより低体温症から守るためにはいち早く救助すること。そのための手段として落水者捜索機器があります。人工衛星経由で海上保安庁に遭難信号を送る「PLB」は昨年の法改正で国内使用が可能になりました。また「パーソナルAIS」は国際VHFを通して自艇や周辺のAIS搭載船舶に落水者の位置情報を発信、迅速に捜索可能にするもの。この2種は大きく異なる特徴のため、これも状況に応じた使い分けが必要です。大坪委員長の講話で何度も聞かれた「いくつかの方法を理解した上で、自分なりの最良の方法を探し使い分ける」という主旨の言葉がとても印象的でした。
昼食後は福岡市消防局からの講話。午前中の話同様に低体温症の話から胸骨圧迫の救急救命法とAED使用の実技です。講師の救急救命士の方は「目の前に心肺停止の人がいたら勇気を持って心肺蘇生を行うこと」だそうです。その時、本当に勇気が出せるでしょうか?
福岡海上保安部からは小型船舶の海難防止の講話です。機関等の点検の必要性や沿岸域情報提供システム(MICS)の有効活用についての案内があり、座学が終了しました。
外での実習は、信号弾の発射訓練とライフラフトの投下・展開・乗り移り。信号弾は前年小戸公園に飛び込んだ経緯もあり、今年は安全面を考慮して「信号紅炎」の着火実習のみの実施です。普通に着火する体験訓練が行われましたが、参加者からのリクエストで実際の使用状況に即して、着火で擦る部分が水で濡れた場合に着火できるかの実験も行われ、見事に着火しました。確かに濡れていたら使えないでは困りますね。
今回の目玉のひとつ「ライフラフト」の投下等については残念ながら開かずに終了。かなり年数が経過していたためで、定期的な整備の必要性を痛感しました。教室に戻り、ビデオ映像で投下から展開・乗り込みまでの一連の流れが説明されました。
動画だとはわかり易く、理解度が向上します。ライフラフトや前述のライフジャケットについてはYou Tubeにアップされているそうで、一度ご覧ください。講習会に参加された皆さん、「安全」が一番です。今回の講習内容をいざというときに役立ててください。第3回「クルーザー安全講習会」は無事終了しました。関係団体・機関の皆様、ありがとうございました。
ライフラフト https://www.youtube.com/watch?v=LjJgR0ndYbo
最後に余談として、2017年アメリカズカップ本戦に向けた「ルイ・ヴィトンカップワールドシリーズ」の最終戦が、今年の秋に福岡で開催されることがどうやら決まったらしいとのお知らせがあり、今日一番の盛り上がりを見せました。あのめちゃめちゃかっこいいアメリカズカップ艇と世界の超一流のトップセーラーが博多湾に集結するなんて、夢のような話です。
5月7日(土)・8日(日)に韓国・釜山で開催された「スーパーカップヨットレース」で、小戸より遠征参加した会員艇の“MALOLO”(BENETEAU FIRST 40)が「ORCクラス」で見事に優勝したとの報告が現地よりありました。同じく会員艇の“Bambino”チームとの混成メンバーで参戦されたとのことです。今頃は勝利の美酒に酔いしれていることでしょう。優勝、おめでとうございます。現地での様子などは後日ご紹介させていただきます。